背水の陣
背水の陣 / 感想・レビュー
阿部義彦
図書館本。2003年刊。日経BP出版センター 赤瀬川さんが『日経エコロジー』に連載したものを加筆修正したものです。身辺雑記に近く、エコロジーに密接に関係しているかと言えそうでもないのも有るが無駄には一家言あるトマソンの探求者だけあって味わい深い発見に満ちています。リサイクルが万能では無く、リサイクルの為にかえってエネルギーを使い汚染が進む問題に着目して、「まったく人類はしょうがない。いずれ近い将来滅亡するのは目に見えているけど、でもやはり何かの抵抗をせずにはいられない。」と突き放します。リサイクル利権。
2023/01/22
猫丸
読友さん経由。赤瀬川名義のエッセイはキリがないですね。もともと赤瀬川さんの思考経路はクネクネと曲がりくねってはいても意外にクリアカットで、的確な比喩表現でもって事物を直接照らすことに長けている。表面に現れた記述は言わば「アタマ方面」の明晰さをもっていて、語彙の豊富な中学生が「50字で要約せよ」といわれても困らない文章なのだ。そして要約してしまうと結構ありきたりな内容に見えるが、油断してはいけない。説得の技術がズバ抜けているから結果的に丸め込まれてしまう。どうもこの人にはかなわない。
2021/03/24
tama
図書館本 赤瀬川さんファン 99年日刊エコロジーの連載文 赤瀬川さんが「わざわざ」エコロジー書く?って思った。苦慮されたようで前書きが4章もある。助走付けないといかんかったようだ。でも走り出すと(赤瀬川さんが走ってる姿想像できんけど)、景色が赤瀬川さん的なので心地よく興味惹かれる。使い捨てな進歩思想にうんざり、まあこんなとこな家具は鉈で斫ると切れ味が出る、頭と心の問題など。頭は心を考えにくいは、あ、と思った。章ごとに写真が載ってて一言文が付いてるが、頭系の言葉だった。
2020/08/22
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