城山三郎と久野収の「平和論」
城山三郎と久野収の「平和論」 / 感想・レビュー
白義
企業小説の大家である城山三郎と、日本の市民主義思想最良の大家と言われる久野収、実に意外な取り合わせだが、城山も反戦運動、反戦論に造詣が深く、その根には過酷な戦争体験と、日本軍を発端とした組織への不信と問いかけが創作のコアになっていることを本書で初めて知った。いわば反戦文学者としての城山三郎と、その反戦の情熱に更に理論的精密さを加える久野収の論文とのセットで日本の市民運動の最良の部分を読む本とでも言えるだろうか。著者自身の文章は両者との思い出追想以外は、まあいつもの佐高信という感じだが面白い試みの一冊である
2018/09/24
壱萬参仟縁
「日本銀行は、インフレファクター、すなわち物価の番人と言われている。インフレは庶民がとても困るから絶対に阻止しなければならない」(60ページ)。通貨と物価の番人。今後不況下にもかかわらず、物価高騰=スタグフレーションを回避していかねば存在意義がなくなる。批判の的は、「平和を『安全』ととりちがえ、『安全』を軍事的安全保障ととりちがえる〝思考の惰性〟のおちこんだ盲点」(90-91ページ)である。原発は安全神話崩壊だが、TPPや米軍基地の米国的なものも含めれば、平和神話も崩れるだろう。公平・中立=平和状態か。
2012/12/02
霜月ざら
城山三郎の「反戦論」と久野収の「非戦論」(十佐高信の世界金融恐慌の読み方)。二人とも亡くなっているのがとても残念でならない。特に久野収からは学ぶことが多い。今の日本がどうすればいいのかこの人にきいてみたかった。
2013/04/19
norio sasada
https://blog.goo.ne.jp/sasada/e/a611ac397a4bd2721c49a483cf74535a https://note.com/norio0923/n/ncdc359c215a1
2009/08/26
星辺気楽
会話はともかく論説は難しい。
2023/02/25
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