悲しいときは、思いっきり泣けばいい
悲しいときは、思いっきり泣けばいい / 感想・レビュー
寛生
【図書館】サラッと読めたが余韻に浸るような読了感。73頁から始まる香山自身のナラティブがとても印象的。その後、「誰にでも絶対に後悔はあるし、後悔こそがその人の人格に陰日向をつけ、その人らしさを作っているのだと・・つくづく感じる。」とそっと付け加えている所が素晴しい。アベノミクスのレトリックに要注意しろ!と言っている所も、格別それが独創性をもった精神分析的解釈ではないとは想うが、僕も「成長戦略」に乗らないほうが精神的なバランスの為にはいいと想う。本書のクライマックスは山形孝夫の死者論を香山が議論している所。
2015/04/13
ヒデミン@もも
この本を読んでいると自分も鬱なのかなぁって思えてくる。 震災を含んだ様々な喪失感からの立ち直りなど 至極真面目な内容。なのに一番心に残ったのは年初め精神科医は多忙。年末年始にダンナの実家に行きストレスを溜めた主婦が何人も駆け込んでくるからって。見方を変える事が大切。
2014/05/17
百太
「花は咲く」の説明に納得です。阪神の子供を亡くした母親のレポートは読めてよかった。震災時 行政の制度のせいだと思うが、公務員の自治体職員や学校現場の教職員などの方々が 頼りにならず役立たずに見えて・・気の毒だった。
2015/01/15
精看探求士
東日本大震災後の社会をメンタルヘルスの観点から説明してくれる。被災直後の方に過剰な心のケアは、無効なばかりか却って傷をえぐられる体験になりかねないという。衣食住の支援が基本であり、PFAと呼ぶらしい。勿論、うつ症状が出始めている方には専門治療が必要だ。又、被災者を支援する人の支援が心のケアとしては重要だと力説。華々しい自衛隊よりも地味ながら慣れない地で激務に追われる公務員の心労が問題。被災者同士が、悲しみの程度や対応を比べ合うことによっても傷ついている。後半は、悲嘆と死後の認識。理屈ではないよな。
2015/06/16
しまちゃん
東日本大震災で大きなストレスを感じているのは、被災された方たちの他に、被災者のために働いている人たちもいます。 特に役所などで働く自治体職員や学校現場の教職員などの方々もいろいろな意味でストレスを感じています。けれども、そのような方々には世間の目が届かずに大変なことになっています。作者は、そこにスポットライトを当てて、「悲しいときは、思いっきり泣けばいい」とさりげなく、救いの手を差し伸べています。
2014/08/07
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