笑う漱石
笑う漱石 / 感想・レビュー
ケイ
『笑う子規』で味をしめた伸坊さんが、選句も自分でして作った絵本。花と花瓶の絵はどれもみとれる。今回は選者への遠慮がないからか、絵がのびのび。絵を切り取って額に入れたくなるほど。留学前の、文豪ではない漱石の作った俳句たち。上手くはないが、愛らしい句だ。「長けれど何のへちまと下がりけり」「名月や 無筆なれども酒は飲む」「枯れ野原 汽車に化けたる狸あり」←森見さんは絶対にここからインスピレーション受けてるはず!書くのに困ったら、漱石読むっていってた。 「雲を呼ぶ座右の梅や列仙伝」←絵が素晴らしい
2015/05/09
kinkin
夏目漱石の詠んだ句に南伸坊氏が絵をつけた本。二十八句。俳句のことはわからないけどいくつかの句は当たり前の光景を再配置して違う角度から見つめていると感じた。「水仙の花鼻かぜの枕元」、「むっとして口を開かぬ桔梗かな」、「叩かれて昼の蚊を吐く木魚哉」。
2016/05/31
さらば火野正平・寺
【読メ上品部】小説家になる前の夏目漱石が詠んだ俳句の中から28句を南伸坊が選んで絵を付けた俳句絵本。あっという間に読み終わるのが惜しくてすぐにもう一度読む。天野祐吉との前著『笑う子規』よりも文が少なくあくまでも絵本。伸坊さんのラフな絵はいいなぁ。『ねこはい』でも見たあの可愛い猫が出て来る。誰かが漱石は子規よりも俳句が上手いと言っていたが、読めばそんな気もする。「菜の花の中に糞ひる飛脚哉」「菫ほどな小さき人に生まれたし」「罌粟の花さやうに散るは慮外なり」「某は案山子にて候雀どの」絵も句もお勧め。
2015/09/05
まさむ♪ね
子規がだすのなら余もだすぞという漱石先生たっての希望で出版された(ウソです)俳句絵本第二弾。漱石先生のとぼけた俳句に、伸坊さんがこれまたとぼけた絵をつける。兎にも角にもおとぼけ感満載のこちら。すばらしく癒されます。「菜の花の中に糞ひる飛脚哉」の絵はとくに素敵で、額に入れて飾りたいくらい。今回は図書館で借りてきたけれど、手元においてときどきながめたいなあ、この本は。「叩かれて昼の蚊を吐く木魚哉」「長けれど何の糸瓜とさがりけり」「某は案山子にて候雀どの」うふふ。
2015/05/19
momogaga
「南伸坊さん」+「文豪夏目漱石」面白くないはずはない。と予想しました。予想以上に楽しく読めました。名作と言えない俳句もありましたが、実に味わいがある俳句集です。
2015/04/23
感想・レビューをもっと見る