橋下主義(ハシズム)を許すな!
橋下主義(ハシズム)を許すな! / 感想・レビュー
Gatsby
大阪市長・大阪府知事選挙を前に、タイムリーな出版。橋下政治の問題点を検討している本。トップは内田先生の講演だが、この本では、内田先生以上に、山口先生の講演と、その後の香山・薬師院先生と3人での対談の内容に興味を持った。橋下氏の政治の問題点の一つが、問題を考えさせないというのがあったが、なるほどと思った。「思考停止」にならないよう、問題点をよく考えるきっかけになる本だと思う。大阪に住んでおられない方にも、興味が持てる内容ではないかと思う。
2011/11/13
ぽんくまそ
大阪へ戻ってきて、大阪のみならず今や日本全国に侵食する「維新」を知るべく、2011年出版のこの本を読む。この本は君が代強制と、偏差値上げで他県に負けないためだけに教師を査定することを含んだ大阪府条例が、橋下の号令のもとに議席の多い維新一派だけで可決してしまった事態に反応して出てきたもの。教育については、内田樹さんの前提論に、目から鱗が落ちるようであった。水や空気に資本主義と政治が介入してはならないように、教育にも両者が介入してはならないのである。ぼくは、橋下くんを、日本版オリガルヒの人形だと思っている。
2023/10/28
Nobu A
最近TVで見ない日はないと言ってもいいくらい番組引っ張りだこの才気煥発な橋下徹。他方、内田樹先生の著書一覧を渉猟していたら目に留まった本著。どんな批判を展開するのかと気になり手に取った次第。100頁強の小冊子。2011年刊行。この手は旬を逃さず読むべきだった。冒頭の内田先生の大阪府教育基本条例批判はしっかりした論拠と明晰な分析。次章の山口二郎から抽象的になってくる。表紙の「大阪府庁では自殺者・うつ病患者続出!」って煽っているのでは。民意で選ばれた橋下徹の功罪両方詳述してこそ読む価値があると思うのは私だけ?
2022/05/23
時折
あまり読まれていないんですねえ、心配です。内田樹センセイにしても、山口二郎系にしても、全然異なるバックグラウンドの方のように見えますが、違った言葉でほとんど同じことを語られています。尖ったネガティブ・キャンペーンみたいな本のつくりになっているところもありますが、なかみはそんなものじゃありません。みんなで悪い夢から醒めましょう。
2011/11/20
読書家目指すで
内田樹の教育論が中々自分に響くものがある教育に市場原理を働かせてはならないことが説明されており、現にそれは私たちの精神にまで侵されている。市場原理を持ち出した結果生まれた、コストパフォーマンスで学力を考えている今の子どもたちが、学力低下を及ぼし日本の存続基盤が揺れ動いている。橋下はより、その傾向を促すような政策をとっている。私自身にも、また、周りも学力のコスパ感覚、というものを共通した感覚として持っているので鋭い指摘に感じたまた、社会的共通資本論という、重要な概念を知れて有益な読書になった
2015/10/08
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