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医療現場は地獄の戦場だった

医療現場は地獄の戦場だった

医療現場は地獄の戦場だった

作家
井上理津子
大内啓
出版社
ビジネス社
発売日
2020-11-21
ISBN
9784828422374
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医療現場は地獄の戦場だった / 感想・レビュー

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アキ

ハーバード大学医学部准教授で救急・内科専門医の著者が2020年3月から「研究は一切ストップし、100%臨床に入れ、これまでの倍働け」と言われ直面した救急の現場のリポート。世界で感染者・死者数ともに世界一のアメリカはなぜそうなったのか、日本の医療との最大の違いが医療保険制度であり、死者の約27%が人口の約13%の黒人であることに象徴されている。救急現場で見た新型コロナ感染の特徴は、自覚症状がない人の急激な悪化と酸素飽和度が上がりにくいこと。リビング・ウィルや遺族の思いまで米国の今の医療を知ることができる。

2021/04/18

パトラッシュ

アメリカの救急医療についてはドラマ『ER』を見ていたが、1日数万人のコロナ感染者が出ている状況に現場の医師がどう対応しているのか報道はほとんどなかった。東部有数の大都市で救急医を務める著者の証言は、感染者が一度に押し寄せた病院で医者たちが倒れる寸前まで治療にあたっている姿を生々しく描き出す。これに比べればテレビで時折報道される日本の病院の有様は牧歌的なほどで、もし同じ有様になっていたら国家的パニックに陥っていたかも。ボストンの現実に比べれば、日本では医療崩壊寸前などという言葉は使わない方がマシではないか。

2021/04/11

♡ぷらだ♡お休み中😌🌃💤

衝撃的なタイトルに惹かれて手にとった1冊。本書は、アメリカのプリガム・アンド・ウィメンズ病院の救急救命室の日本人医師大内啓さんのコロナ禍での救急現場のナマのレポートと著者のヒストリー、アメリカ独特の医療・保険制度の実情からなる。急激に悪化したり、酸素マスクをしても酸素飽和度が上がらなかったりと今まで経験したことのないコロナの特徴を救急現場の人が書いているので迫力がある。日本とは医療制度の違うアメリカの医療についても詳しく書かれていて勉強になった。

2021/05/31

白玉あずき

多数のメディカルサイトでアップされた日系医師の報告と同様な内容だが、本となって幅広く合衆国の医師養成制度、病院の救急システムについて言及されているのが良い。聞き手が井上理津子さんというのが手に取った理由。流行当初、内科救急担当医が、患者さんがなぜ死んでしまうのかわからないと嘆いていたが、それに比べれば今は多くの知見が重なり、診療ガイドライン(手引き)も次々改訂されている。亡くなった方々のおかげではあるけれど、やはり新しい感染症ではフロントランナーにはなりたくないわ。一刻も早くワクチンが行き渡らないかなぁ。

2021/04/07

読特

【米国の医師として】息を吹きかけわざと感染を移そうとする患者。お金のかかる薬を処方できない貧困層。重病をかかえて渡ってくる不法移民。iPadの録音で家族へ届ける終末期患者のメッセージ。利子も含めて3000万円にも上る学資ローン。【南アでの医療体験】夜に外出すれば命の補償はない。2日間歩いて診察に来る患者。家族との絆を絶たれた上エイズになる子供。ひったくりに腕ごと切られて盗まれたカバン。・・生きることと死ぬことと、肌に感じる毎日。過酷の中にやりがいを見出す。高い志を持つもののみが目指すべき仕事。

2021/05/05

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