黒い兄弟: ジョルジョの長い旅 (ベスト・チョイス)
黒い兄弟: ジョルジョの長い旅 (ベスト・チョイス) / 感想・レビュー
はじめさん
「ロミオの青い空」の原作。ロミオではなくジョルジョ。/ スイスの山村の貧乏子沢山。不作やケガ等の不幸に一家が見舞われ、僅か13歳にしてミラノに煙突掃除夫として売られる事に。肥えると煙突に入れないからと満足な食事を与えられず、煤まみれになりながら、作業中の事故や肺を病む、死亡率の高いブラックな仕事。幸いにしてまともな親方に買われるが、おかみとその息子は外道。街の愚連隊は掃除夫を蔑み、彼らは自衛のための結社「黒い兄弟」を結成。ともに売られた美少年アルフレドの秘密。/ アニメは大分脚色。ジョルジョの奇妙な冒険。
2017/03/23
ち~
大まかなあらすじは知っていましたが、ちゃんと読むのは今回が初めて。弱者、善人、悪人がハッキリしているし、話の展開も児童書らしいけれど、大人が読んでも、充分な読み応えとボリュームがあります。貧しい家の子がお金で親から売られ、危険で健康に害を及ぼす煙突掃除夫となり、飢えや寒さで死ぬ子供がいるのは実際にあった話で、そこからこの話が生まれたとか・・・「黒い兄弟」と「狼団」の対決や、ジョルジョ達の逃亡の長い道程はとてもおもしろかった。
2013/06/19
リュミエール
年端もいかない少年たちが身売りされ煙突掃除夫となるお話ですが、かつて本当にこういうことがあったということに暗澹たる気持ちになりました。人を人とも思わないような扱い、人としての尊厳まで傷つけ蹂躙するような仕打ちには胸が痛くなり、怒りを通り越しやり切れない思いで、ここまで残忍になれる人間がつくづく恐ろしくなりました。しかし、決して折れることなく強い友情で結ばれた黒い兄弟たちの気高く生きようとする姿には胸を打たれ、仲間の大切さ、そしてどんな時も人としての誇りを失わなければ、救いはきっとあると思えるお話でした。
2024/06/14
nemo
物語の舞台はヨーロッパ。主人公はスイスの小さな農村で三人兄弟の長男として生まれた。日照り、山火事による飢饉や母親のケガなど一家の窮地を救うため、僅かな金と引き換えに半年間ミラノで煙突掃除夫となる。死と隣り合わせの劣悪な環境で働かされ、親方の家でもひどい偏見や差別を受けるが、心の支えとなった友人たちとの心の交流や強い心を持ってあきらめない少年の生き方が清々しく、逃げることは必ずしも恥ずかしくないと教えてくれる。
2018/08/29
anzai
ジョルジョが辛い境遇の時は本当に読むのが辛かったけど、黒い兄弟や狼団との仲間の絆には胸が熱くなった。リアリティがあって実際にこういう状況があったんだろうなと考えさせられる。大人も読んでも楽しめると思う
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