マス・イメージ論 (福武文庫 よ 102)
マス・イメージ論 (福武文庫 よ 102) / 感想・レビュー
yumiha
夫の本棚から。約1.5回読んだが、全体的な理解はあやふや💦私にとっての関心は「表現」。私は、ありきたりの作品では物足りない。そこを超えて、どんな世界へ連れていってくれるのだろう?という作品に心惹かれる。かといって、なんぼ新しい試みと言われても何が何やらワカラン作品には退いてしまう。そのヒントとして、「事実の世界のありふれた物象の動きに、まるで別の世界の言葉の像が被覆される」(p214)とか「わい雑性とずっこけを強調することによって異化効果」(p269)あたりを再度じっくり読んでおきたい。
2024/03/11
白義
現代版の共同幻想論とも言える名作。本書には一回も出てこないが、キーワードは「フラット」という言葉。フラットな時代のフラットな作品から、それを生み出す現在という作者を解読し、並走するかなり難解だが軽快な一冊。時代に対応出来ない文学たちへの批判の意図を込めながら、漫画や歌謡曲は言うに及ばず、ベストセラーや何気ないテレビのCMにすら、表現の最先端を行く過激さを読み取る感性の鋭さ、固定観念のなさが圧倒的。フラットに浮遊する表現たちに合わせた批評の更新は、以後のハイイメージ論でさらに上昇していく
2012/06/04
amanon
いみじくも解説にあるとおり「アンビバレンツ」な思いを抱かせる著作であった。純文学からサブカルチャーまで言語を媒介にした表現に対して精緻な分析を試みる著者の姿勢や、手法には感服せざるを得ないが、「果たして本当にそういうことが言えるのか?」とつい疑念を抱いてしまうのも確か。また、著者独特の文体も魅力的ではあるが、「結局読者を煙に巻いているだけでは?」と思ってしまう。そういう良いところも悪いところもひっくるめた所に吉本隆明という知の巨人は屹立していのだな、と改めて思わされた。こういう人は今後出てこないだろう。
2012/10/27
Jimmy
吉本は初めてですが、難解でワケがわかりません。中でも一番ナンパな著作のハズなのですが。その昔、福武書店に就活ために何でも良いから出版物を買って研究しようと目論見て一度も読んでなかったという本。結局とりあえず目だけ通した、というレベルでお恥ずかしい。
2011/07/08
ダージリン
小説、漫画、歌詞、CM など広く材を取り、イメージや言語表現の現代性を追求している。難解だが考えさせられることは多い。
2011/04/24
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