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小説伝 (福武文庫 こ 102)

小説伝 (福武文庫 こ 102)

小説伝 (福武文庫 こ 102)

作家
小林恭二
出版社
ベネッセコーポレーション
発売日
1988-11-01
ISBN
9784828830858
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小説伝 (福武文庫 こ 102) / 感想・レビュー

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山田太郎

ゼウスガーデンっぽい小説伝は面白いと思う。ゼウスガーデンとこれだけ読んどけばいいと思う。あとはカブキの日くらい。半島記群島記も良かったような。iri聞きながら読む。やたらいいなと、聞いてて気持ちいい。通勤電車の中ですが、マスク着用率すごいなと、花粉症でもないので、マスク嫌いなんだけどそうも言えないな。

2020/04/09

メタボン

☆☆☆★ ポストモダン、メタフィクションというくくりで良く引き合いに出される小林恭二。「小説伝」は壮大な作り話として稀有な面白さを持っている。「迷宮生活」はストイックな迷宮生活から神の創造、そして最後の快楽の追及へと至る荒唐無稽さが面白いものの、全体に散漫な印象があり、残念な出来栄えと言うべきか。これら作品に共通する荒唐無稽、寓意性は、後の傑作「ゼウスガーデン衰亡史」に結実していく。

2016/05/08

Kouro-hou

表題作のみ。もう小説が読まれなくなった近未来で孤独死した老人の遺品のフロッピーディスクから500巻モノの大河大長編がみつかり、から始まるナンセンスコメディ。多重入れ子構造のその長篇は真面目に読んだ人物が昏睡状態に陥ったり、その人物を崇める過激派集団が出てきたり、最長小説の座を脅かされたフランスが暗殺者を送ってきたり、決死の覚悟で読書団が結成されたりとわりと死屍累々w アウトサイダーアート的だなと思ったら終盤は哲学っぽくなったりとさすが1985年の芥川賞候補作。ちなみにコレ自体は中篇ですw

2020/02/24

tomo*tin

表題作は魂の宇宙である「小説」を巡って暗躍するズレた狂気の物語。おおよそまともな奴は一人も出てこない。だがそれがいい。「迷宮生活」はK氏のだいぶ様子のおかしい生活と思想を追ったもの。こちらもまともな奴は一人も出てこない。だがそれでいい。語り口は淡々としていて普通ありえねえだろということが簡単にしれっとした顔で置かれているので、いつのまにかK氏と一緒に「うーむ。」となっている自分がいて、「うーむ。」じゃねえよ!と一人ボケツッコミになるわけで、なんだこれギャグ?作者は変態だと思う。好きすぎる!

2009/09/18

九鳥

一人の男が遺した500巻に及ぶ奇妙な内容の長編小説と、それを巡る人々の狂騒を描いた中編小説。21世紀の近未来を舞台にしながらメディアがフロッピーだったりロシアがソ連だったりする中で、マスコミが獲物を持ち上げてはどん底に落とす狂気ゲームを繰り返すさまを揶揄した描写には、20年前と変わってないことを思い知る。小林恭二の端的で過不足のない題名の付け方と、突飛なアイディアの風呂敷をこれでもか!と広げていく作風がツボです。

2009/08/15

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