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虫喰仙次 (福武文庫 い 401)

虫喰仙次 (福武文庫 い 401)

虫喰仙次 (福武文庫 い 401)

作家
色川武大
出版社
ベネッセコーポレーション
発売日
1989-05-01
ISBN
9784828831008
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虫喰仙次 (福武文庫 い 401) / 感想・レビュー

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もしも、次にヒトとして産まれてくるならば、いまのような中途半端ではなく、何も持たずギリギリで生きる暮らしがしたい。この連作に奇妙な親近感を覚えるのは幼いころ植え付けられた劣等感に似たものを感じるのかもしれない。いろいろ持っちゃうとなくすとき辛いから、それならいっそ最初から持たないほうが悲しくない

2015/07/13

hirayama46

父・親類・周囲の人々を描いた短編集。色川武大のエッセンスを広く味わえますが、決して薄味ではない、良質の短編が揃っていました。アンソロジーでも読んだ「雀」はやはりとても良く、いままでに読んだ色川短編でもベストクラスに好きですね。

2021/08/24

ゆーいちろー

「遠景」「復活」「観音」「雀」「陽は西へ」「虫喰仙次」「走る少年」収録。筆者の作品の底に流れる「含羞」「劣等感」という、悲しくも滑稽な通奏低音を聞いていると、言葉は悪いが小説とは女子供の読むものだという思いがふと頭をよぎる。少なくともまともな大人が淫するものではない。それでも、自分を含め物語を必要とする人間は多い。表題作は阿佐田哲也名義の作品に通じる雰囲気を持つほろ苦い話。今回の再読で「陽は西へ」のヒロイン伊津子の存在に気づく。女性版作者の分身ともいえる彼女の危うさが印象に残り、彼女の幸せを祈りたくなる。

2012/11/10

もれ

「雀」が最も好きな短編作品。身体的な表現でが多く,夢か現かわからなくなる感じやどうしようもない人の性癖,孤独が描かれていて余韻の残る作品だと思う。

6

○雀の戸籍を作ってる。 話題は、自他のしのぎ、身の処し方であって、日々の問題に関してそれぞれ何着をとっているかという競輪談義のよう

2020/07/07

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