ゼウスガーデン衰亡史 (福武文庫 こ 104)
ゼウスガーデン衰亡史 (福武文庫 こ 104) / 感想・レビュー
とも
★★★★☆面白い。SF的側面、国や企業の衰亡史としても、ゼウスガーデン(遊戯場)のアトラクションの発想としても、権力の権謀術数やかけひきとしても楽しめる。
2017/02/18
里馬
通つてゐた高校は必修の筈の世界史をさらつと撫ぜただけで、中国史と世界大戦I&II程しか勉強しなかつた。塩野七生の「ローマ人物語」同様、「ゼウスガーデン衰亡史」を読んでいたらもつと早く世界史の面白味に気付けたのに・・・ つてあれ、日本国内国家だからこれは日本史なのか?もしかして一五〇年くらい後大河で放映されたりして!?たのしみーーーーーーーーーーーーーーい!!!
2010/03/01
三柴ゆよし
筒井康隆の『虚航船団』第二部を先取りした作品で、彼をして「小林恭二にはしてやられた」といわしめたとかなんとか。「下高井戸オリンピック遊技場」から「ゼウスガーデン」へと名を変え、欲望と快楽の飽くなき追求に直走る巨大テーマパークの栄枯盛衰を描く。百年かそこらの遊園地の歴史が、そのまま人類史のハイライトになっているという構造も凄いが、作家の想像力に満ちたアトラクションの数々にも畏れ入る。現時点では福武版、ハルキ版ともに品切れの模様。古本屋で見掛けたら即買して損はない。傑作!
2010/01/08
九鳥
とある遊園地が生まれて滅ぶだけの物語なのに、途轍もなく面白かった!三国志演義や中国の史書文学を読んでいるようなスリリングでスケールの大きな歴史のうねり。淡々と描写されるグロテスクで幽玄なアトラクション、人間の快楽を追求した乱痴気騒ぎ、その裏で繰り広げられる陰謀と政治的駆引きに満ちた覇権争い。小林恭二の博識と想像力に脱帽です。
2009/03/02
mestizo
再読。一番好きな小林作品であり、過去読んだ小説の中で一番好きな作品であり、皆に薦めたいけど自分だけのお気に入りにしておきたい気持ちもある作品。昔読んだ時は博多ゼウスガーデンの『魔踊』(P216)に惹かれたけど今回は八丈島の『マンダランド』(P173)がいいと思いました。芦ノ湖心中はやっぱり好き。今年こそはハルキ文庫版収録の『ゼウスガーデンの秋』を読みたいものです。
2010/01/11
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