文学がこんなにわかっていいかしら (福武文庫 た 701)
文学がこんなにわかっていいかしら (福武文庫 た 701) / 感想・レビュー
メタボン
☆☆☆★ 久しぶりに再読。高橋源一郎は「読ませたくさせる」名人だ。文芸時評が面白かった。伊藤比呂美の雪という詩に出会えたのもこの本がきっかけだった。
2018/05/06
メタボン
☆☆☆ 読んでいたのを忘れて再再読。畑山博の「すでにして死の領域にあり」(文學界1988年7月号)が気になった。海燕に連載された文芸時評だが、やっぱり源ちゃん、一筋縄ではいかないユニークな時評を展開している。
2020/11/08
nbhd
お目当てのエッセイ「ドラゴン・クエストⅢ、物語は勝利したか」は、わずか6ページ。ぼくが今年読んだ文章の中でも、他の追随を許さない名文だ。著者は、誰にでも好まれるドラクエⅢの”いかにも”な物語性を批判し、ドラクエⅡの放埓な難しさを賞賛。読んでいると、血みどろになって進んだ、あの「ロンダルキアへの洞窟」の記憶がよみがえってくる。自分の中で何度も反芻しているけど、心地よいゲームのプレイ感より、古典文学をチンプンカンプンのまま読み続ける感覚にも似た、ロンダルキア感覚のほうが、よっぽど重要な気がしている。
2017/03/09
スミス市松
高橋源一郎を前にすると、カンタンなこともムツカシイことも、どれもがみな不思議な何かを秘めた言説に言い換えられてるような気がする。いや。その不思議な何かはもともとあった、しかも<文学>というヤツかもしれない。ドラクエⅢ(古い!)に少女マンガ時評、競馬と文学の相同性、『カルヴィーノの文学講義』と現代詩、蓮實重彦の迂回する物語、ゴクミ(死語!)語録と大江健三郎のノースロップ・フライ式批評、文芸誌がダメな理由…。そんなゴタゴタのゴッタ煮を飲み干すと、目の前には漠然とした、しかし色鮮やかなことばの風景がみえてくる。
2011/05/01
mejiro
読書の量と幅広さと読みの深さに驚愕する。メジャーリーグを現地で観戦しながら読書したり器用な人だ。ゲームをし読書し書評するって、他にも仕事してただろうし、どうやって時間つくってるんだろう…。タイトルや表紙をはじめ、本書全体に時代を感じる。
2016/05/02
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