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ゴースト・ドラム: 北の魔法の物語 (ベスト・チョイス)

ゴースト・ドラム: 北の魔法の物語 (ベスト・チョイス)

ゴースト・ドラム: 北の魔法の物語 (ベスト・チョイス)

作家
スーザン・プライス
金原瑞人
出版社
ベネッセコーポレーション
発売日
1991-05-15
ISBN
9784828849522
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ゴースト・ドラム: 北の魔法の物語 (ベスト・チョイス) / 感想・レビュー

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星落秋風五丈原

魔法の太鼓ゴースト・ドラムが打ち鳴らされ、ニワトリの脚を持つ家が駆け、強大な魔力を持ちつつなお暖かい心を失わぬチンギス、彼女を慕うサファ、かたや冷酷なギドンと奸智に長けるその妹。前半早いテンポでぐいぐいとストーリーが展開する。

1991/07/26

鳩羽

カシの木につながれた世界で最も物知りな猫。その猫が語るのは、とある魔法使いの老婆の才能ある弟子チンギスのことと、残酷な皇帝に幽閉された皇子サファの生い立ちのこと。やがて二人は出会うが、ずる賢い魔法使いの奸計に陥ってしまう。…凍てついた冬の世界、皇帝にしろ女帝にしろ残虐な支配者、簡単に命を奪われてしまうけれど強かで希望も感じさせる奴隷や兵士たち。死後の世界観や心と身体のあり方が面白く、死がどんな風に感じられるかはその人物の人生によるのだということが分かる。

2019/04/15

BECHA☆

猫が語る極北の国の物語。無慈悲な皇帝ともっと残酷なその妹の国。魔女が選んだ赤ん坊は立派な魔女チンギスとなり、皇帝が結婚して儲けた息子は母とともに高い塔に幽閉され、はるか北の魔法使いクズマはチンギスの成長を憎んだ。登場人物が揃い、妃が亡くなりそれを伝えた乳母も殺され皇子サファはチンギスによって塔から救出される。魔法使いとなるべく育てるもののサファの資質はそれほどでもない。皇帝が亡くなり女王となったマーガレッタはサファが塔にいないことを知り激怒する。クズマはその怒りを利用してチンギスを陥れる。大人の読む童話

2017/05/17

菱沼

ずいぶん前に読んだ本の再読。金原瑞人さんが解説で述べる「教育的配慮がまったくない」ファンタジーであり、児童文学なのだ。時々、児童文学や絵本を教材のように考え、「子どもたちがこの物語を読むことで、嘘をついてはいけないということを学んでほしい」などという人がいるけれど、そういう人はきっとついて来られないだろう。それでも、言葉の魔法のところで語られる、為政者の言う「戦争」や「犠牲」を讃えることの欺瞞、終盤の「国が、冷酷で理不尽な支配者をつくる」という言葉など、まっすぐ響く主張の筋が通っている。

2016/11/12

サファ

小学校の図書室で見つけて、本を好きにさせてくれた、私にとって宝物のような作品です。雪に覆われた国、冷酷な王、魔法使い、ニワトリの足を持つ家・・・。残酷だけれど美しい、素晴らしいファンタジーです。

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