ジュスチーヌあるいは美徳の不幸 他一篇 (富士見ロマン文庫 46-2)
ジュスチーヌあるいは美徳の不幸 他一篇 (富士見ロマン文庫 46-2) / 感想・レビュー
松本直哉
宗教や道徳への嘲笑は1世紀前のモリエール「ドン・ジュアン」を嚆矢としてリベルタンと呼ばれる人々の反抗的文学の系譜の上にあり、思想的な新しさは特に感じない。特徴があるとすれば、女性と美徳を同一視して、その両方をこき下ろして楽しむところで、その徹底的な女性蔑視にうんざりする。美徳を信じる愚かなお人よしの女性が男性の甘言にコロッと騙されるか、そうでなければ開き直って唯一の武器である肉体を売ってのし上がるか、それ以外の選択肢はないかのように見える。世の中はそんなに愚鈍な女性ばかりではないはずなのに。
2022/03/22
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実際はロマン文庫版じゃないんだけどデータがなかったので。ジュスティーヌも「性格」は悪いなあと思ったからか、表題作は「マルキはじつにばかだな」と笑いながら読んだけど、「悲惨物語」は普通に胸くそ悪かったのは多分、フランヴァルみたいな理屈っぽい逆ギレ体質の人間を知っているからだろう。やってることがどうとかじゃなくああいう性格の人が苦手。
2010/12/02
真塚なつき(マンガ以外)
当時中学生だった私は悲惨物語のユージェニーに悶えたのだった。
澤水月
900713 澁澤訳、併録は「悲惨物語」
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