東北呪禁道士 (富士見ファンタジア文庫 46-1)
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東北呪禁道士 (富士見ファンタジア文庫 46-1) / 感想・レビュー
紫
およそ十数年ぶりの再読。時は七九三年、大和朝廷の蝦夷進出という史実を呪術戦を通して描く、骨太の歴史ファンタジーであります。とってつけたようなコメディ描写は一切なし。二十人近い(!)主要キャラを縦横に動かしつつ、大和vs蝦夷の戦いとはどのようなものだったかを丁寧に描くことで単純な勧善懲悪に陥ることを避けたストーリーは、フィクションで歴史を描くとはどういうことかというお手本そのものです。また少年の成長物語としても秀逸。坂上田村麻呂、アテルイに意外な悪玉の正体等々、実在の人物や史実のからませ方も巧い。星5つ。
2014/07/23
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