俺の足には鰓がある 悪の改造人間純情編 (富士見ファンタジア文庫 57-2)
俺の足には鰓がある 悪の改造人間純情編 (富士見ファンタジア文庫 57-2) / 感想・レビュー
洪七公
既読本
1998/03/07
烏鳥鷏
惚れている女友達に「悪の組織に拉致改造され人外になった」と打ち明けられた主人公は、愛のために自ら後追いを選んで改造人間の仲間入り。特撮を悪視点で見たらどうなるか、というちょっとメタな作風。改造人間たちのモチーフはほとんどが古代無脊椎動物で、薀蓄が楽しい。主人公はパラドキシデスがモチーフで、視界がモノクロになった上に動体視力が上がりすぎてディズニーアニメさえ紙芝居に見えるようになったというのが不憫。大層な肉体改造を施されたのにノリが軽く終始コミカルだったが、悪サイドの物語らしく最後はちょっと切ない
2013/10/17
ダリ
特撮ネタでは一番好きな話 悪の組織の怪人として漂うのは哀愁ではなく生活臭、でもラストはしっかり哀愁を漂わせて終わる。 バランスが良くて好きですね。
ビシャカナ
20年以上前のラノベだが、特撮ヒーローものによくある設定を逆手に取った雑魚怪人を主人公にしたラブコメディという斬新さは今でも通じる。海洋生物とバージェス動物群、そして特撮に多大なある愛がこもっている。あさりよしとおが挿絵を担当しているが、物語もあさりよしとおテイスト溢れて、別名義で書いたのではないかと思うほど。
2016/07/07
紫
十数年ぶりの再読。著者2作目。デビュー作『死天使は冬至に踊る』からは作風ががらっと変わり、特撮ヒーローパロディ物。悪の組織視点の物語はいくつかありますが、そのハシリといえる一作であります。世界征服をかかげる悪の秘密結社の改造人間になってしまった主人公の、どこか惚けた怪人ライフ。神経組織や感覚器官まで元ネタの無脊椎生物そのままになってしまうという改造メカニズムの描写が、細かいといおうか、生々しいといおうか、笑えるほどのこだわりぶり。結末は悪の哀愁漂う、切ないもの。かつて特撮に憧れた読者にオススメ。星5つ。
2015/05/10
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