宝珠、紅に染まるとき: 退魔師鬼十郎 (富士見ファンタジア文庫 97-1)
宝珠、紅に染まるとき: 退魔師鬼十郎 (富士見ファンタジア文庫 97-1) / 感想・レビュー
紫
約五年ぶりの再読であります。男装の女退魔師鬼十郎と女装趣味の軟弱呪神使い蛇骨丸という倒錯的な設定の主人公たち。奇を衒った設定とばかり思いきや、再読して納得。第一に護衛の対象である千鶴姫との間に恋愛感情を持ち込ませないため、第二に鬼十郎と蛇骨丸との間に、信頼関係は結ばれても、男女の恋愛関係にはならないようにするための配慮でこうなったのですね。オーソドックスに鬼十郎が男で蛇骨丸が女でも、あるいは二人とも男だったとしても、本書の絶妙な人間関係は成り立たなかったでしょう。女同士だったら? その場合は、うーん…。
2019/08/17
紫
およそ十数年ぶりの再読。異世界ファンタジー時代劇風であります。キャラクターの名前の多くは実在の人物からの採用ですが、元ネタとはまるで関わりないような。男装女の退魔師葵鬼十郎、女装男の呪神使い蛇骨丸という何とも倒錯的な設定の両人が手を結び、呪神と戦うことになる本作。物語そのものはシリアスなのですが、強烈な性格揃いのキャラクターたちによる過激過剰なコメディタッチの応酬が凄まじく、その落差には面喰らいます。呪神の親玉「黒鶴」を倒してからも物語は50ページ近く続き、ここはいささか蛇足気味な印象。星3つ。
2014/07/28
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