お菓子の家: 〜un petit nid〜 (プラチナ文庫)
お菓子の家: 〜un petit nid〜 (プラチナ文庫) / 感想・レビュー
那義乱丸
前作ではどうして加瀬と要じゃないんだろうと思ったりもしたけどこの本で加瀬の内面を知り、これは要の手には負えないと納得。序盤、要に貰ったシャツに縋る加瀬に涙を誘われ、以降は繊細に丁寧に描写される加瀬の心情に何度も涙。ぶ厚い殻の中で縮こまる加瀬の心をガサツだけど温かい阿木が溶かしていく。そうなるまでの加瀬の葛藤は痛ましかったけど、それは阿木と出会えたからこそ。野良加瀬を拾い居場所を与え、愛してくれた阿木にお礼を言いたい程。阿木の甘々視点のお話からも加瀬の心が伝わってきて愛おしくなる。次は武藤が気になる私v
2012/11/18
Kaoru
加瀬のワンマンドッグ的な一人の人間に強く依存しつつも、自信のなさから独占欲を持てないキャラがツボだった。夫婦のような阿木と知世に嫉妬しても結局諦めて距離を置こうとしたり、体は繋がったのに誤解から阿木の元を去らなくてはならないと決心する場面など、ひたすらネガティブな方向へ落ちていく姿が切なくて堪らなかった。虐待や暴力など重たい題材を扱っている割りに、全体的に甘くロマンティックでちょっと少女趣味的なストーリー展開や文章表現がこの作家の持ち味なのだと思った。前後したが、『夜明けには優しいキスを』も読んでみたい。
2013/04/28
miyu
今年最後の読了本が凪良さんでよかった。途中が息苦しくても必ず幸せな気持ちで終わるから。スピンオフ作品なので元の作品も読んだがこちらの方が断然好み。BL道短いせいでリバに抵抗はない。ツンツンデレな子は羽交い締めにして可愛がりたいくらい好物だ。でも加瀬の印象が元作品よりも少しばかり幼く感じてその分可哀想に思えたのは否めない。前とそんなに印象変わっちゃ、そりゃDV男にもほんのり愛情がわくというものだ。たぶん相手がアラフォー阿木に変わったからなのだろう。加瀬と捨て猫クロのデレぶりには阿木でなくても絆されるかも。
2017/12/31
サキヤマ アン
電子書籍版。「夜明けには~」を読んで少し経っていたので、スムーズに話の中に入っていけた。過去に辛い経験をしたもの同士、色々わかり会えるものもある。加瀬さん幸せになれて良かった。阿木さんの懐の深さにも感動。
2014/06/05
みずほ
小説★★★★☆ 挿絵★★★★☆ パン屋経営者×店員。「夜明けには優しいキスを」のスピンオフだけど、あとがきを読むまで気づかなかった(汗) 「夜明け」の方は黒凪良作品の中でも真っ黒度では1位じゃないかと思うほど痛い作品だったけど、このスピンオフは、内容は重いが痛さはさほどではなく、切なさの方が強い作品になっている。それは加瀬がネガティブさは変わらないものの、要との失敗で学習したことと、阿木の包容力によるものだと思う。私も、加瀬は”攻”より”受”の立場で、年上の男に可愛がられ甘やかされる方が似合ってると思うわ
2012/09/18
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