完全版 宗教なき時代を生きるために―オウム事件と「生きる意味」
完全版 宗教なき時代を生きるために―オウム事件と「生きる意味」 / 感想・レビュー
大熊真春(OKUMA Masaharu)
オウムを知った自分はどう生きるの。という、自分の心を書いた本、かな。「違う」と拒絶感を持ってしまう部分もあるし、尾崎豊の分析なんかには決めつけが強すぎる感じもするがそうしないと書けない。みんなが避けている話が書いてある。
2020/07/03
kanaoka 57
1980年代後半から90年代前半の時代を背景にして書かれた作品。オウム真理教と尾崎豊に共通点を見出す視点はとても面白かった。私も神秘体験やカルトに魅かれた者の1人として、著者の主張するところには、かなり共感できるが、当時から随分と時が経過し、現代を生きる我々にとっては、本書の論点は、今となっては緊迫感を持たない、当時の時代を感じさせる内容になっていることに、少し感傷的になってしまいました。
2023/10/04
Hiroki Nishizumi
とても参考になった。著者の体験としての悟りへのあこがれ、力への欲望といった隠れたマウントは自分自身も身にしみて分かる。そして求めるべきは、煩悩の哲学との提言も納得する。一読では汲みとれきれていないところも時間をかけて吸い上げたい。
2020/02/25
peace land
教会の図書館から借りてきました。オウム事件は1980年代から90年代にかけて起きた事件で、平成の最後の年に死刑が執行された。なぜオウムへ若者が引かれていったのか、作者の心理を解きながら書かれている。生きる意味を他者に求めようとする心理、その意味で尾崎豊の死も共通したものがあるという。その上尾崎豊は聞く人の悲しみを自分で引き受けてしまった。まるでキリストが人間の罪を背負ったように。難しい内容なのに文章はわかりやすく、思わぬ展開へ導かれ引き込まれるように読んでしまった。
2019/08/30
Jackie
著者の真摯すぎる考え方や自分に厳しすぎる部分が読んでいて苦しくなるような部分も多かった。尾崎豊の章はヒット曲くらいしか知らない私からしたら少し斟酌し過ぎというか神格化しすぎというような気がしないでもないですが、本当に生き方とかに共鳴していたコアなファンにとってはそうだったのかも知れないですね。あえて本質的な部分を追求しすぎず、身の回りの信頼できる人たちを少しずつ頼りながら色んなことに折り合いをつけて生きていくくらいじゃないとこの世の中持たないんじゃないだろうか。私は折り合いつけすぎるところが課題ですが。
2024/05/01
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