トートーという犬: 井伏鱒二童話と詩
トートーという犬: 井伏鱒二童話と詩 / 感想・レビュー
さらば火野正平・寺
最近、木山捷平や小山清、上林暁といった井伏鱒二の近くにいた人達の本を読む事が増え、それで読んでみた『厄除け詩集』も素晴らしく、同郷人でありながら、ソロリソロリと井伏鱒二に近づいている。本書は井伏鱒二が白寿を記念して出した童話集。童話3本と詩が5篇。しかし詩は『厄除け詩集』に載っているものである。この3本の童話がまた独特で、どれもそこはかとなく可哀想な話なのだが、淡々と綴られる。日常生活というのは、いつもこんなペーソスが貼り付いているよなぁ…と考える。童話だがこの味が子供にわかるかな?と思うが、いい本。
2019/08/23
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