戦略読書日記 〈本質を抉りだす思考のセンス〉
戦略読書日記 〈本質を抉りだす思考のセンス〉 / 感想・レビュー
徒花
おもしろかった。基本的には著者が読んで感銘を受けた本のレビューを集めたような本なんだけど、深い考察と独自の哲学、そしてウィットにとんだ文章が絶妙に絡み合い、得も言われぬハーモニーを醸し出している。とくに話の流れというか、本の紹介に入る前にどういうテーマ性を持ってその本の内容に入っていくかというシナリオが流暢で、読んでいるとぐいぐい引き込まれるし、紹介されている本は全部読みたくなってくる。あと本当に、まじめなことを軽いノリでいっているのがすごく好きな文章だった。最高。
2018/07/02
ハッシー
★★★★☆ 4年ぶりに読んだので、内容はほとんど覚えていなかったが、予想以上に面白かった。軽い語り口で書かれているが、語られている内容は非常に濃くて深い。読書の仕方で様々なジャンルの本からここまで深い視座を得られるのは衝撃的ですらある。特に印象的だったのは、スキルとセンスの違い。センスがない人が社長をすれば、代表取締役の担当業務を粛々とこなすだけで、まるで戦略がでてこない。センスは引き出しの多さであるが、経験を積むだけではなく一つひとつの経験が論理レベルに抽象化できていなければならない。勉強になる。
2021/05/14
Kentaro
情報は整理するな、覚えるな。情報は無理に集めるな。思いだせない情報はたいした情報じゃない。時が情報を熟成させる脳にレ点を打つ方法。つまるところ、情報は整理もせず、覚えず、何か気になることだけ頭の中で「レ点をつけておく」だけにして、あとはほうっておきなさいという話である。中でも「レ点をつける」というのが独特にして肝心なポイントだ。「いい曲だな」でも「面白い映画だな」でもなんでもいい。レ点をつける基準は自分のセンス。自分にとってピンときた情報について「とりあえずインデックスをつける」。もちろん脳内で、である。
2019/06/24
Miyoshi Hirotaka
スキルとセンス、どちらも大切だが区別が必要だ。スキルの種類は多岐で、それぞれの内容の定義が定着し、身に付ける道筋も用意されている。ところが、センスは千差万別で、定義が容易でなく、身に付けるための定型的な方法もない。目の前にある課題や困難は、遠い昔に既に起きていたり、他では日常のことだったりする。これらを克服するにはスキルでは限界があり、センスに依存する部分が大きい。センスは成功や失敗の場数で養われるが、実体験の最適な代替としては、読書がある。読んでは考え、考えては読むの繰り返しが、センスを形成する。
2014/06/27
フジマコ
4冊目かな?このおっさんの本は好きです。センスがいい。ストイックな学者肌ではなくおおらかな博学だし、だからこそかテーマも文体もセンスがいいです。このおっさんと言っては失礼なので、楠木先生、の本との出会いは「ストーリーとしての競争戦略」からで、一貫して戦略をたてるための「分析」は「スキル」でまかなえるが、そもそも有効な戦略を立て実行し結果を出すためには「スキル」じゃなく「センス」が必要だ。だから経営者に近づけば近づくほど「センス力」が必要になる。ということを先生は仰る訳です。よく分かる!チョット複雑だけど…
2014/07/27
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