哲学用語図鑑
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哲学用語図鑑 / 感想・レビュー
あじ
辞典でも図解でもありません、哲学の『図鑑』です。知識人がデカルトの神の存在証明が云々と、髪をガシガシしごきながら難解な言葉で説明してくれても、私にはチンプンカンプンブラックホール。本書はイラストを駆使して、哲学の概念をイメージしやすく手助けしてくれます。寄藤文平さんのちょうどあんな感じの本です。哲学とは宇宙のように果てしない、人間の知を思い知らされます。増刷を繰り返すベストセラーになっている事からも、関心の高さが窺えます。ソクラテスの「無知の知」でありたいと私は思いました。
2015/09/21
zirou1984
この手の哲学ガイドとしては最良の出来。古代ギリシャから21世紀の思想まで、英米を含む西洋哲学の系譜を辿りながら主要な思想家とその概念を図説によってわかりやすくまとめてくれている。3頭身なイラストはゆるいながら各哲学者について知れば知るほどクスッとくる特徴を抑えてあり、概念の解説は図にするとこんなにも把握しやすくなるのかと驚くほど。恥ずかしながら普遍論争の意義については本書で初めて気付かされてしまった。副読本としてだけでなく適当にパラパラめくっても楽しめる、おじーちゃんにもおばーちゃんにも薦めたくなる一冊。
2015/05/27
神太郎
哲学者は有名な方だけでも結構いるわけですが、いったいその人たちがどういう考えを持っていたか、その時どういう用語を使って説明したのかなどを簡単に要点をおさえつつ、イラストと共に時代を分けて説明してくれる。これははじめての人でも入り込みやすい作りになってる。知ってる人はもう少しと思うかもしれないが、概略や予備知識としてまず欲しいなという人は是非とも手にとってもらいたい。買ったのは少し前なのだが、手元においてたまに目を通す気になるとこだけ読むというのを繰り返してたのだが、そういう読み方も出来るなかなか良い本。
2020/04/23
kaori
以前哲学入門なる本を読み、その時はなるほどふむふむと思ったものだが、まぁものの見事に諸々忘れてしまっていて、事典ではなく図鑑なら易しいかも?と安易に手に取ったが大正解であった。古代から近現代の哲学者の人物解説とその思想を単純なイラストで図解。だからこそスッと頭に入ってくる。人はこんなにも人を、世界を、理解しようとしているのかと思うと面白くもあり頭が下がる思いだ。のほほんと生きててすみません(笑)。この先何度もお世話になりそうな予感。
2015/06/12
marmelo
幼い甥が某大手宅配業者の看板にある絵を黒い猫だと認識したとき、私には彼がなぜそれを別の動物、例えば犬と間違えなかったのか不思議だった。しかしプラトンのイデアによれば腑に落ちる。また華美な服装を好まぬ人が着けている質素な腕時計がその人に合っていて素敵だと思えるとき、私はソクラテスの言うアレテーをその時計に感じているのかもしれない。賢者の思考がこうして私の生活の些細な事象と繋がると喜びが湧く。哲学とは人が古くから天体、神、労働、言語等を頼りにそれら暗号を解き、分類、分析し、人間の未来を予測する営みのよう。
2017/07/03
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