京都、パリ ―この美しくもイケズな街
京都、パリ ―この美しくもイケズな街 / 感想・レビュー
ケイ
[勝手きままな個人的印象で失礼] 前半の井上さんが語る京都は、歪んでいる。平安、室町時代の京都と、18~19世紀以後のパリを比べられまいに。それに鹿島さんが非常に冷静に論理的に返答されているのが印象深い。半ばから雰囲気が変わる。京都側にたって話していた井上さんの京都への愛憎の割合が、愛から憎の方へ比重がうつっていく。それでも意識してやまない京都への語りは、分析的であろうとする感情論。対して、鹿島さんは愛するパリを冷静に俯瞰する。この二都市ったらなんなのよ!と思いながら、やっぱりどちらにも行きたくなる。
2018/11/05
アキ
京都の人とパリの話をした時にふとこの本を思い出して再読した。対談のおふたりが、どうしてもエロの話題に行きがちな傾向があるが、歴史があり川が流れる町の共通点をさぐる。1京都人とパリジャンの気質、2京都の花街、パリの娼館、3京女、パリジェンヌの美人力、4京都とパリの都市史、5京都とパリの食の5項目。結論から言えば、2都市の共通する部分はほぼなかったです。都市の成り立ちと文化の特徴から、それぞれの街にイメージが作られる。姉妹都市でもあり、共通点は共に観光都市であることくらいか。三読目はないかな。
2022/06/16
きみたけ
パリオリンピックにちなんで借りました。京都とパリの文化比較なんですが、想定していた内容とちょっと違いました💦フランス文学者で明治大学教授の鹿島茂先生と、国際日本文化研究センター教授の井上章一先生による対談本。京都人とパリジャンの気質、京都の花街・パリのキャバレーや娼館、京女・パリジェンヌの美人力、京都とパリの魅力・都市史、京都とパリの食事情の構成。二つの都市の歴史や特徴を比較検討していて大変面白かったのですが、半分くらいエロ親父トークが炸裂してました😅
2024/09/11
アキ
パリも京都も魅力的な街。どちらも観光で有名だが、没落の自覚が観光を促すのは共通項。パリは産業革命以降イギリスの旅行先に、京都は東京に都を奪われてから有名になる。この対談での愁眉はなんといってもエロスの裏歴史。京女もパリジェンヌも地元ではなく地方から憧れてきた美人がなりそれを接待に使うのも各国の外交手段のひとつでスパイがいるのが常識だった。表歴史には決して出ないお話し。料理に関してもリヨンや大阪の食文化の方が豊かであるなど文化を知り尽した蘊蓄がすごく面白かった。本にも載せれない禁断の話しをもっと聞いてみたい
2019/01/26
空猫
佐藤優氏が井上章一/著『京都ぎらい』をお勧めしてたが京都の意地悪さを一冊分読まされるのも〜と敬遠してた。こちらはパリとの比較なので読んでみた。パリと京都って高慢さは似てそうだが?予想通り正反対だったがそれ故違いが楽しめたのだった。男の虚栄心とスケベ心は世界共通だと再認識し、それぞれの文化、習慣の由来を多々知ることができ、間違った認識を直すこともできた。このお二人の対談は他にもあるそうなので読んでみようと思う。旅行に行くなら大阪だし、欧州ならやはり伊国ですな。コレも勉強になった上、面白かった。
2024/07/28
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