ビジネスの未来 エコノミーにヒューマニティを取り戻す
ビジネスの未来 エコノミーにヒューマニティを取り戻す / 感想・レビュー
ひろき@巨人の肩
「資本主義をハックする」という行動指針に感銘。有限の地球上でGDP「成長率」を追い求める矛盾。GDPは「物質的豊かさ」を測る指標として機能したがその役割は終え、米国優位を維持する「恣意的な目標」となった。また、資本主義は「経済合理性限界曲線」を超えた課題を解決できず、限界曲線の内側の課題は解決し尽くされた。目指すべき高原社会は「文化的豊かさ」と「社会課題」の克服。その為には「人間性に根差した衝動」による労働と消費がカギとなる。これが「資本主義をハック」すること。また教育、福祉、税制のアップデートも必要。
2022/02/08
Carlyuke
実質的一気読み。とても刺激的。勉強法や読書論の読後の印象は革命的なことが書いてある訳ではなく予想の範囲内だったりする。この本は違う。成長は我々が目指すものではなくコンサマリーな状態, いわゆるチクセンミハイの言うフローであると述べる。またUBIの導入とか色々面白いことが描写される。 読んでいる間は納得感がありエキサイトできるが, 実際に社会がどう変わるかに影響を与えるという意味では多くの人に読んでもらいたい。この著者の本を時々読んできたが予想以上のところに連れてきてくれた。哲学, 心理, 経済学者の引用。
2021/03/29
よしたけ
やはり資本主義は限界を迎えつつあるのだろう、「人新生の資本論」と同じく経済成長を追う時代は終焉したと主張。GDPは米国の優位性誇示のため開発され、自らに優位なように改定され、それでも近年は成長が鈍化。また、世界は「低成長」の2%成長続けても100年後に経済規模が7倍になると言われれば転換期に来ているのは明らか。こうなると筆者の主張は明確でベーシックインカム提唱。嗜好品を追う時代は過ぎ、人間に根ざした衝動(木漏れ日を浴びたい、人に貢献したい等)に目を向けろ、と。急転換は難しいにしろ一歩立ち止まらされる一冊。
2021/09/30
vinlandmbit
これまでの価値観の中でのビジネスの目的は終わったという視点を軸に今後あるべきビジネスの形を説いてくれている一冊です。重要な気づきも多く、特に今後生きる事を楽しむ上で重要となる観点ありますので、念頭におきつつこれからを過ごしていくと少し先の人生が変わって行くのかもと感じています。
2021/07/18
Tαkαo Sαito
NewsPicksのウィークリー落合に出演されている回で初めて山口さんを拝見してから考え方に共感し、手に取った本。独立研究者という肩書き通り、学者や政府側のような狭い視点ではない山口さん独自の鋭い視点から、今の社会ステムの機能不全をとことん指摘している。と言うのも、山口さん自身が電通、ボストンコンサルティングなど資本主義の権化とも言えるような大企業にもいたご経験もあるからか、内容に説得力があった。今の社会、システム、雰囲気にどこか疑問を持っている人には刺さり、考え方を変えたくなるきっかけとなる本だと思う。
2021/05/23
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