キツネどんのおはなし 新版 (ピーターラビットの絵本 13)
キツネどんのおはなし 新版 (ピーターラビットの絵本 13) / 感想・レビュー
keroppi
「これまでお行儀のいい人ばかり書いてきたので、気を変えて二人のいやな人のお話を書いてみようと思う」と作者のコメントで始まる。ちょっと違うアプローチをしたくなったのだろう。話はこれまでになく長いし、絵も白黒が多い。アナグマが子ウサギをさらってパイにしようとしたり、キツネがアナグマを殺そうとしたり、大げんかしたりと、驚くような残酷さ。久々にピーター・ラビットも登場して活躍するのだが、このお話を子供たちが読んだらどう思うのだろう。こういう人の不信感と残酷さに満ちた世界こそ、現実の世界に近いのかもしれないけど。
2022/05/05
南
ピーターラビットシリーズの中ではボリュームのある1冊。アナグマトミーが若いうさぎを食べると示唆するところから始まる。後半は肉食の取っ組み合いが描かれており、最後はハッピーエンドになっていた。
2020/08/22
おはなし会 芽ぶっく
3年生ブックトーク授業【冬休みにおすすめの本】ピーターラビットの絵本を選書。世界で1番有名なウサギ(みんな名前は知っていたけれど、話は知らない)、映画を見た子も数人いました。シリーズから1冊ずつ貸し出しにしています。思っていた以上に読みたい!と言ってくれました。 バウンサーは孫(ベンジャミンとフロプシーの子ども)の子守をしてますが、いねむりしてしまい、あなぐまのトミーにさらわれてしまいます…。
2021/12/17
クナコ
初読。「あひるのジマイマのおはなし」で登場した「しんし」のきつねだろうか。正確には「キツネどんとアナグマ・トミーのおはなし」が正しいだろう。嫌われ者の2人に巻き込まれたウサギたちの物語。シリーズの中でも文字が多く、ちょっとした児童単行本ほどもある。内容は分かりやすく、最後は安心のハッピーエンド。序盤は臭うというだけで嫌われるのかと同情したが、読んでいけばなるほど、これは親しくしたくない。コミュニケーションできる相手に食べられてしまう恐怖は人間にはないが、この動物たちにはある。作家のユーモアに乾杯。
2020/05/27
遠い日
悪い悪いキツネどんと、ずるいずるいアナグマ・トミーの、根深いしがらみと対立が、おもしろい。作者自身が「ふたりのいやなひと」を書くと言い切る。はたして、そりゃもう、腹黒いし、いじわるだし、自分勝手だし、読んでいてすっとするくらい、悪いことをしでかす。キツネとアナグマの壮絶なけんかは、逆に徹底的にやればいいと思わせられる。その裏で、アナグマにさらわれたベンジャミンの赤ちゃんたちの救出劇が、あったのですがね。さて、どっちが勝ったと思います?
2013/04/01
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