みみをすます (福音館の単行本)
みみをすます (福音館の単行本) / 感想・レビュー
へくとぱすかる
遠い昔に読んで今は手元にないけれど、久しぶりに借りて読む。ほぼひらがなだけで書かれた6編の長い詩は、長いからこそ、小説とはちがう感覚で物語を感じる。詩らしく、ことばを畳みかけ、また列挙していくうちに、意外な落としかたで一区切りがつく。ひらがなとは言え、幼年向きの詩とは言えない。谷川さんの言葉は、時にやさしく、しかし時に恐ろしく、生きていること、その向こうにある死、社会の不条理、悠久の時間の流れを語ったり、作品以前から存在するかのように、ことばの構築物を提示する。ひらがなで書かれているからこその効果だろう。
2021/06/09
はな
ひらがなと人間の顔を描いた絵。その2つが、言葉が、様々な色、音を感じさせる。雨の音、風の音、潮騒の音、銃弾の飛び交う音。
2020/06/23
JJ
読む度に印象が変わる...。言葉の音がリズミカルに響く日、言葉の節々が刺さる日、言葉の連なりが恐ろしく感じる日、そして言葉から情景が浮かぶので心を保つのが大変な詩。あまり読み返したくないのに、また読んでいるのは..なぜ?きっと読み終わると心の中がスッとなるからかもしれない。
2013/11/16
ひ ほ@新潮部
書店ガール2で紹介されていた本。詩を読むということはみみをすませて詩の世界を想像することなのかなぁ。そこには何もないのにいろんな音が聞こえてきて、いろんな色があって、いろんな匂いがする。五感が研ぎ澄まされてくる感じ。
2013/09/29
モッタ
★★★★☆ 美しい詩が並んだ本だ。朗読したくなる。これを読んで素直に思ったのが、ひらがなって読みにくいってこと。あと、ひらがなって優しいなってこと。この本の詩を漢字で書いたらこの本の美しさは現れなかったかもしれない。
2012/02/11
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