海竜めざめる (ボクラノSF) (ボクラノエスエフ 1)
海竜めざめる (ボクラノSF) (ボクラノエスエフ 1) / 感想・レビュー
星落秋風五丈原
作品発表が冷戦時代なので、異変が起こると「それぞれが相手陣営の仕業なのでは?」と疑心暗鬼に陥ったり、科学者が警告したにも関わらず人々はなかなか信じず、いざ危機が訪れた時には手遅れ…というストーリー展開は、SF映画でお馴染み。日本は三度登場するが三回目の登場がかっこいい。「手先が器用で精密機器好きという彼等の国民性が才能を発揮してくれたんだ」とベタ誉め状態。何だか「地上の星」のメロディが空耳で聞こえてきそうだ。但し敵を倒す方法としていとも簡単に(と見える)原爆を用いているのは、あまり気分が良くなかった。
2015/03/18
アーチャー
かなりシビアな内容と展開にも関わらず、星新一氏らしい訳と長新太氏のシンプルなイラストで軽く読めてしまうのが不思議です。ただ約60年前に書かれた内容に古さは感じられず、ウィンダムの発想力と構成力、そして普遍性には感心させられました。本書と「呪われた村」しか読んでいないけど、ウィンダムはお気に入りの作家になりました。
2013/11/16
gollum
NHKのダイオウイカに興奮→ミエヴィルの「クラーケン」に手を出す→パンクでちょっとしんどくなったので、昔懐かしい The Kraken Wakes 「海竜めざめる」に浮気。岩崎書店版の「深海の宇宙怪物」に衝撃を受けたのは小学校の時。長新太さんのこの絵はかわいいのにとても怖かったのをよく覚えている。原作のこわさがしっかりと映像化されている。最初に読んだSF(空想科学小説?)が小学一年生の時の「宇宙戦争」だったせいか、イギリス破滅SFはわたしの原点でもある。特にこの作品の持つ閉塞的な恐怖は忘れられない。
2013/09/03
スターライト
いわゆる破滅ものの古典だが、今読んでも少しも古びていない。人類は突如、正体不明の存在から「攻撃」を受け、世界は水浸しになり、あわやという窮地に陥るのだが、スーパーマンのような人物が現れて解決していくのではなく、物語は淡々と描かれる。読者はそこに言い知れぬ不気味さを感じ、じわじわと首をしめられていくような気分にさせられる。21世紀にこうして甦ったこの作品は、今後も長く読み継がれていくに違いない。
2010/11/17
k16
20120216読了。 ジュヴナイル版?だからなのか、星新一訳だからなのかわからんけど読みやすかった。 最後まで正体のわからない敵?に人類が追いつめられるという点が怖い。 破滅というのは気づかないうちにはじまっている、突然やってくるものではなんだろうな。 メディアの重要性も主人公の立場から十分訴えられていたと思う。 日本人の技術が人類を救えたんだと思いたい。
2012/02/16
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