とき (かがくのとも絵本)
とき (かがくのとも絵本) / 感想・レビュー
chiaki
地球の誕生から今現在までの時の流れを描いた絵本。こんな壮大なテーマを、さらりと…たったの23ページで表現できてしまうのは、谷川さんと太田さんコンビだからに違いない。自転車で走り去る三日月の怪しさが、いたずらに過ぎゆく時を思わせて最後とても余韻が残る…。これは是非復刻をお願いしたい!
2021/03/15
読特
慣性の法則、万有引力、電磁気力。大きな星から、小さな微粒子まで、それぞれが一見独立して、乱雑に動き、時が刻まれる。全てのものが一斉に振り返り、今来た道を戻り出す、なんてことはなく、時間は一方的に流れる。宇宙の誕生から、地球ができて、生き物が生まれ、人類が進化して、今がある。この瞬間は次の瞬間に過去のものとなる。かげろうの生涯は24時間、かめは100年生きる。「とき」は誰にとっても平等なわけではない。地球に生があれば、宇宙に意識があるのなら、人の寿命は儚い一瞬。再びページをめくる。空想は何度でも繰り返す。
2024/02/22
momogaga
【大人こそ絵本を】古めかしい画に味わいがある。CMの映像に使ったら今の時代に受けるかも。
2017/04/29
ヒラP@ehon.gohon
50年前に出版された絵本が、2023年の今年記念復刊されました。 凝縮された時空が50年前そのままに、自分の時を語ってくれているような気がしました。 地球が生まれ、生命が誕生して、歴史があって、戦争があった時代に私の両親は結婚しました。 そして自分が生まれてから、一軒の家、家庭とともに、「とき」が定点観測のように語られます。 昭和で停まった風景が、平成、令和と、時代が様変わりしても、そのままに生き続ける不思議さを感じました。 太田大八さんの絵のひとつひとつに、時間の淀みのような深さがあります。
2023/06/21
ケ・セラ・セラ
1973年からの復刊だから、お父さんの子どもの頃が戦争なのも仕方ない。暮らしぶりも昭和そのもの。私の世代はレトロ感を楽しめるが、今の子どももまた、大昔のそのまた大昔から現代、昨日今日、今この時、時が流れているということは実感できるのではないだろうか。現代になるにつれ、時間がゆっくりとページをかけて描かれていることにより、時の重みが深く伝わる。
2023/09/19
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