草木鳥鳥文様 (福音館の単行本)
草木鳥鳥文様 (福音館の単行本) / 感想・レビュー
KAZOO
鳥の絵を古い箪笥の引出しにカラフルに書かれたもので非常にうまく背景を考えて撮影して、そこに梨木さんの鳥に関するエッセイを付けられたものすごく贅沢な本に仕上がっています。画家、写真家、作家のコラボレーションが見事に合わさった感じです。日本にいる鳥をうまくこれだけ探し出して書かれていて堪能しました。とくに「ヨタカ」は本物のような感じで宮沢賢治の作品を思い起こしました。
2023/04/20
あすなろ
複数の読友さんの感想より読了。素敵な装丁・文章・絵・写真と満足の世界観。文字のみの羅列の本も大好きだが、こうした本も時には良いなと個人的に思った。鳥と草木。これらが好きな方はゆっくりと休日の朝にでも紐解いて読むと良き一冊。僕は正直、その両方に疎いが揺蕩う世界観に暫し身を委ねた。これは、勿論梨木氏の文章がなくては成り立たない世界観だが、加えてユカワ氏の絵と長島氏の写真なくては成り立たない世界観だと思うのである。なお、これらに疎い僕が1番印象に残ったのは、実はなんと青鷺の項。
2021/06/08
ちゃちゃ
大小さまざまな箪笥の引き出しに、密やかに身を隠して潜んでいる鳥たち。そっと開けると、その囀りとともに鳥の飛び立つ羽音が感じられるような作品だ。その趣向が粋である。自然の生き物や草木を写すとき、梨木さんの筆は鮮やかに冴える。天から授かった恵みを慈しむような、生き生きとした筆致で綴られた文は、まるで鳥や草木への恋文のようだ。四季折々の鳥と植物を引き出しの底絵としてユカワアツコさんが愛おしむように描き、その静謐な佇まいを長嶋有里枝さんが写真に収めた。凾入りの装丁も含めて、なんと魅力的で贅沢な随筆集だろう。
2021/05/22
みかん🍊
まず装丁が素晴らしい、紅いケースの中には鶯色の布張りに金の押印、そして箪笥の引き出しの底に描かれた様々な鳥のイラストと鳥類学者ではなく梨木さんによる鳥とそれに纏わる植物の説明とエッセイ、図鑑のようでイラスト集の様で写真集の様でエッセイでもある美しい本です、手元に置いて鳥の声や姿を見かけた時に開いてみたい1冊です。
2021/06/06
たいぱぱ
これは梨木香歩さんの珠玉のエッセイであり、他に類を見ないユカワアツコさんの図鑑であり、長島有里枝さんが撮ったファンタジーの世界の写真集である。ユカワさんの古い箪笥の引き出しの裏に描かれた鳥や草木の絵は、斬新さを伴いながらも「そこが鳥や草木の正しい居場所」という納得感もある不思議な作品群。長島さんは、その絵を古色蒼然とした古民家の一角に配し、まるでその空間の主のような存在感に仕立て上げている。そこに、心に小さな花を咲かせてくれるような梨木さんの鳥や草木への愛情やユーモア溢れてる一文が加わる。素晴らしき傑作。
2023/07/24
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