人工島戦記 あるいは、ふしぎとぼくらはなにをしたらよいかのこども百科
人工島戦記 あるいは、ふしぎとぼくらはなにをしたらよいかのこども百科 / 感想・レビュー
starbro
橋本 治は、学生時代からずっと読み続けている作家でした。未完の遺作、菊版、二段組、本編1,258頁、辞書および地図を含むと1,400頁超、広辞苑級重量1.5㎏、完読しました。私の人生で一番の超々大作でした。著者でなくては書けない、著者らしい壮大な無駄、社会を風刺した全体小説でした。元々、全十部構想、本書は第六部までで未完なので、完成していたら、2,000頁を超えていたかも知れません(笑) https://www.1101.com/n/s/portlive/jinkoujima2109/index.html
2021/11/07
アキ
2019年70歳で亡くなられた橋本治の遺稿。ふー、長かった。1258頁にて唐突に終わるが、その終わり方に生々しさを感じる。登場人物たちのその後はわからないままであるのが寂しい。特にモクレンのその後の人生はどうなったのだろう?1968年学生運動が盛んだった時20歳の東大生だった著者は、自身の若い頃のデモが日常だった学生時代を描きたかったのだろう。昭和30年代から平成にかけての街の変遷と、両親から大学生へとそれぞれの人生の機微を、脱線の多いエピソードで満たしながら、人工島反対のデモへ行き着く前に絶筆となった。
2021/11/22
A.T
第二百四十章 1258ページで唐突に終わってしまう未完の書。国立大学2年のテツオが1993年の5月「こんなのいらねーよなー」と呟いて、仲間を増やして、福岡をモデルにした架空の街「比良野市」の開発事業「人工島」に対して「デモ」を行うことを決心するくらいの8月まで。「産業構造」の変化に3世代の登場人物たちはどう関わっていくのか? いよいよ街を巻き込むところでピリオド。インターネットも震災もオウムも9・11もパンデミックもウクライナもない、ちょっと前の現代は、ちょっと今より小さい世界な気がする。
2024/04/25
Tom
本作は「小説すばる」1993年10月号から1994年3月号まで「人工島戦記」として連載された作品に、作者である橋本治が長年をかけて加筆したものである。小説部分だけで原稿用紙約3900枚、付録の辞典を含め約4500枚にのぼる大著である。しかし、それでも本作は完結までは至っていない。遺稿をまとめあげ本作を出版してくれたホーム社、集英社及び携わった方々に心からの感謝を申し上げたい。橋本治は偉大な小説家であった。「偉大な」という形容詞がおよそ似つかわしくなく、本人も嫌がるだろうが、それでもあえてそう褒め称えたい。
2023/12/17
takao
ふむ
2023/06/05
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