青春とシリアルキラー
青春とシリアルキラー / 感想・レビュー
starbro
タイトルに魅かれて読みました。佐藤 友哉、初読です。エッセイ的私小説、タイトルの割にはライトな感じでした。 https://www.homesha.co.jp/products/items/isbn-978-4-8342-5356-6/
2022/06/10
ゼロ
中身は薄い。私小説のような雰囲気を出しながら、作中で小説ですと言い切るのはチキン野郎なのか。著者に限りなく近い男が主人公で、青春とシリアルキラーについて考察するのだが、どちらも中途半端で、結末も曖昧。中年小説家のエッセイです!と胸を張って書いてくれたら、面白く読めたのかもしれない。主人公が小説家で食べ続け、仕事に精を出す奥さまを捕まえ、子育てに精を出してるのに、死にたい…と嘆いても構ってちゃんにしか見えなかった。結末まで行かなくとも、お前は幸せだろ!!収録されてる「ドグマ34」は、まだ小説をしようとしてた
2022/07/26
アナーキー靴下
「はじめに」でいきなり巻き込まれた感、一緒にしないで、って思いつつ、それって一番近いんだろうな、と。気の置けない間柄なら相手との違いを知っているからこそ巻き込まれて得る安心感。巻き込まれて嬉しいのは、大抵ちょっと遠い存在、憧れの人に近づけた気がするとかそんなの。だから、この本は何だか飲み屋で語らってるようで。二十歳の頃、曖昧な関係性のいつものメンバーで、いつも同じような話してた、そんな感じの、楽しいのにどこか後ろめたくて、日々の忙しさで自然消滅した時間。心の中には今もあった。珍しくお酒飲みながら読んだ。
2022/06/09
藤月はな(灯れ松明の火)
これは佐藤友哉氏のエッセイ?私小説?いいえ、小説です。但し、作者に肉薄したかのようなメタ視点、6頁の白紙などが横溢しているので「ひょっとして作者の事を書いているのでは?」と錯覚しがちですが。「生きにくさ」と「死にたさ」を抱え、「一定年齢層のモデル」などの世間への視点との差異などに苦悩しながらも小さな幸せや喜び、楽しみを搔き集め、何とか生きている。バンドの部分は笑ってけど、響さんからの言葉に何処か、安堵して。自分を知った事で努力する意味や気概が薄れながらも日々の忙しさに紛れながら生きている身には随分と沁みた
2022/07/26
まこみや
本書はコラムでもエッセイでもない。あえて言えば、「私小説」的仕掛けとメタフィクション的企みを混用した、当世風「私小説」であり、かつまた本書を書くことそのものを叙述する「ライブ小説」でもある。作者=語り手=主人公という擬似的三者一体を表明することで、主人公の思考や情念を状況説明なしに有無を言わせず読み手に了解させうるし、さらに対立する他者として「阿南さん」を登場させることで独りよがりにならないで済む。その結果、虚構に生きる人間(中年男性の鬱屈とシリアルキラーの少年の地獄)を現実的に描くことが可能になった。
2022/10/08
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