闇の中のオレンジ (fukkan.com)
闇の中のオレンジ (fukkan.com) / 感想・レビュー
本 読むぞう
不吉な死のイメージがつきまとう不気味な本ですが、ますむらひろしさんがキャラクター原案のアニメ「銀河鉄道の夜」の世界観監修をされた方のようで、 ますむらひろしさんも細野晴臣さんも(音楽)宮沢賢治も好きな僕としては、この方も好きにならないわけにはいきません、(もともと宮沢賢治の研究をされている方のようです) 幻想的な謎に満ちた世界観で、和風の子供の目を通したデヴィッド・リンチ風とでもいいますか、 夜中に読むといいかもしれません、
2013/11/30
シガー&シュガー
オレンジ党シリーズに先駆けて出版された短編集。頼る大人がほとんどいない子供が、不穏な空気に満ちている世界に対峙するさまが独特の舞台設定で物語られ、なんともいえない恐ろしさを生んでいます。オレンジ党の主要メンバー・エルザと道也、一匹狼の京志の話が収録されていますが、オレンジ党本編を読み、キャラと役割を把握してからこちらを読むと、懐かしいような切ないような、より身近な手触りで読むことが出来るように思います。オレンジ党員以外の子供たちの冒険も面白そうなのでなんだかとってももったいない。
2017/07/19
nagatori(ちゅり)。
小学生の頃に学校の図書室で読んで、その時のおどろおどろしいイメージだけ強烈に覚えたまま、あらすじ等はすっかり忘れての再読。さて、どんな話だったかなー、結末ってどうだっけ、と最後まで読み進めて呆然。正直な感想…これ、なに?(笑)短篇連作集と言えば言えるかもしれないけれど、其々の話が見事に尻切れトンボで、登場人物も繋がりが有る様な無い様な。子供の頃に見た「怖い夢」のハギレを次々に縫い合わせたらこうなりそう。そう、これは夢だ。夢の断章。羊を狩る武者、真っ赤な大凧、次々と死んでいく母親達、日常と隣合わせの異世界。
2014/08/02
topo
黄昏時の寂しい公園が異界への入口に感じ脅えた幼い頃を思い出す。日常のふとした空間が異界と繋がり迷いこむ子どもたちを描いた短編集。得体のしれない魔物、宙に浮いたような結末に茫漠とした不安と恐怖がじわじわと心を侵食してくるよう。 収録作は、赤い凧/ちいさな魔女/秋祭り/まわりみち/みかんの王子 /燃える石 /眠り姫 /海辺で会った少女 /三人のお母さん /《グーン》の黒い釜 /グーンの黒い森 /闇の中のオレンジ。 この短編集は長編登場人物のアナザーストーリー的位置付けみたい。長編読後に再読したい。
2021/04/10
fig
幾らか前の日本で、子供たちが見る日常から逸れた不可思議な世界の断片。日本でありながら色々と混じり合った混沌さがまた不思議な雰囲気。オレンジ党のルーツを示す一話を除き、起こることに何ら答えも終わりも示されないのも、作者の世界観なのだと思う。善悪の括りとは異なる、子供たちの感じる恐れは、私もどこかで知っているものだ。オレンジ党連作も、この作品も、復刊が決まったときは小躍りしました。
2009/09/27
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