筒井康隆全戯曲1 12人の浮かれる男
筒井康隆全戯曲1 12人の浮かれる男 / 感想・レビュー
法水
「12人の浮かれる男」「将軍が目醒めた時」「スタア」などの戯曲と関連エッセイ、単行本未収録作品を収録。筒井康隆大一座は一度は観てみたかったなぁ。ところで『廿日鼠と人間』の作者がヘミングウェイとなっているのはあまりにもありえないミス(文庫版ではちゃんとスタインベックになっている由)。安部公房さんの名前も間違ってるし他にも色々と。そもそも復刊ドッココムに校閲部ってあるのかな(笑)。
2016/11/30
渡邊利道
筒井さんの戯曲はしっかりしていて読んで面白いし上演もしやすそうだ。なんというかすごく真面目な感じがするのでちょっと困惑するけど役者目線と考えれば納得できる。エッセイでわりと保守的と言っていい好みも語られていて、ほとんどは単行本で読んでいるのだがあらためて時代を感じる。未発表ものの映画シナリオっぽい「会長夫人万歳」はものすごく興味深かった。とくに若い男女の会話が当時をしのばせていい。ハスミンの『伯爵夫人』に喜ぶわけだなあとか。
2017/07/15
nightowl
Part1+「スタア」の高評価確認+諸々のおまけといった一冊。元ネタより構成が巧みな表題作、下らないことが最重要機密?「情報」、個人的には伏線はあるけれど強引だと思う『乗越駅の刑罰』戯曲版「改札口」、軍部礼讃主義に一狂人が利用される恐怖「将軍が目醒めた時」、芸能人夫婦の新婚パーティー当日に夫の元恋人が赤ん坊を背負ってやって来た!そこから始まる諸騒動「スタア」(初劇作と思えない映画化も納得の出来)と怒涛の勢いで攻めている。全戯曲シリーズ紹介初っ端に丁度良い。著者特有の下品話ファンには「冠婚葬祭葬儀篇」が有。
2017/07/03
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