人狼 JIN-ROH 沖浦啓之絵コンテ集
人狼 JIN-ROH 沖浦啓之絵コンテ集 / 感想・レビュー
ぐうぐう
2000年に公開されたアニメーション映画の絵コンテ集が18年後に刊行されるのは、異例のことだ。それほど『人狼』は、未だ語り継がれる名作となっているということなのだろう。押井守の『犬狼』シリーズの継承を汲む一編を、沖浦啓之は伏と圭という男女の物語を軸にして、はかなくもせつない恋愛映画へと昇華させた。童話『赤ずきん』を、いわば狼の側から描いた本作は、昭和三〇年代の熱気と閉塞感を見事に捉え、人間の内面に焦点を当てた静かではあるがドラマチックな演出により、フランスをはじめとする欧州で絶賛を浴びた。(つづく)
2018/12/26
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