考えるミスター・ヒポポタムス
考えるミスター・ヒポポタムス / 感想・レビュー
キジネコ
フラミンゴとハイエナ、大きなリンゴと胃の中の銃…Mr.ヒポポタマスは実はカバであってカバではないのです。いや誤解を招いて二人の作者のシゴトにケチをつける事になってはいけないので申し開き致しますがヒポポタマスは実に堂々とした、何処に出しても見劣りなどしないカバ界を代表するカバなのですが、何となく(じつは明らかに)読者は鏡を覗きこんでるときの自分自身を見る様に、彼の日々の思索する姿に激しく同意してしまうのです。深く昏い森の奥で俯いて孤独を噛み締める彼に等、全然似てないやと思えば思う程、私やあなたは彼なのです。
2018/05/07
寛生
【図書館】〈理解してくれているはず〉の友達は本当は何も〈私〉を理解していなかったか?レントゲンで見たら、カバの胃の中にはピストルがあったのは、〈Gunー癌〉ということなのだろうか?カバは「いつ食べたのかおぼえていない」と謳う。鏡をみてにらみっこをする練習をいくらしても涙がでるのは、人間のやさしさ、やわらかい感情を表現しているのだろうか?カバは谷川自身なのではないか?「今日、ぼくは失恋した」という文が右に、カバが背を見せて、森の中葉が一つもない木々の下で一人寂しく座っている広瀬さんの絵を左にこの本が終わる。
2014/06/07
空猫
谷川俊太郎氏の短い詩に、息子サンの広瀬弦氏が挿し絵を描いた本。…ぼくの恋人は、ぼくに哲学がないと言う。ぼくは気持ちさえあれば、哲学なんて要らないと思う。(p40)…今日分かったこと。カバにはブスとか美人の差別はない。これは文化的と言っていいことではないだろうか。(p46)この二つがお気に入り。
2022/03/08
なおみ703♪
親子共演の絵本。ヤフーニュースだったか、谷川さん自身のおすすめ絵本として取り上げられていたので購入。思索にふけるカバ。ほっこり気持ちが和みつつ、最後が切ない。何か自分の考えが行き詰った時、また、この詩集を読み返してみたい。「今日はいい天気だったら、ずっと川に浮かんでいた。ぼくは一生何にも考えずに生きていけるのではないかと考えた。」
2021/11/22
すばる
再読。恋人から「哲学がない」と言われたミスター・ヒポポタムスの哲学的つぶやき。ことばと絵が醸し出す世界にクスッと笑いながらも、ちょっと考えさせられる。ドンマイ、ミスター・ヒポポタムス!
2022/04/24
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