幻の旅
幻の旅 / 感想・レビュー
ちろる
贅沢な時間って感じだった。風景、事物、と感傷が、一緒になって迫ってくる。幻の旅という題が妙にしっくりくる現実とは離れた時間、外国や田舎が舞台だからかもしれない、でもそれだけではないように思う。ぽつりぽつりと発される言葉、切り抜かれた感動。旅をした気分。現実の旅よりもこっちのがいいとか前書きに書いちゃう林望さん。でもちょっとわかる、そういうこともあるだろう。でも、どこかで読んだけど、こういう風に触れた文字たちのお陰で感動が増大することがある。感性が磨かれる。やっぱり、旅をしたくなった。
2015/09/30
壱萬参仟縁
鉛筆画が随所にあり、本当に落ち着いた感じで読めるエッセー集。イギリス的なゆとりある暮らしを、鉛筆画により想像できる。「イギリスの夏は、いつまでも日が暮れない」(39ページ)。確か、評者も1993年夏にフランスでも夜9時過ぎでも明るかったのを思い出した。多忙な日本人も、たまには、著者のような鉛筆画で描きつつ、徒然なるままに、思うことをつらつらと書いてみるものストレス解消になるのだろうと思う。
2012/08/11
らいむ
挿絵がきれい。ひとつのお話が3〜4ページで完結しているため、小旅行をしているような気持ちになる。座ったまま、寝っ転がったまま旅に出られるなんて、ちょっとお得な感じ。あとはときどき、懐かしさが匂いたつ。
2015/03/06
やっさん
リンボウ先生の、短編(?)集。文庫で3ページの文章と自筆のイラストからなる、40超の短編。軽快なエッセイと違って抑制の利いた、古式ゆかしい文章。行間から漂ってくる、男と女の関係性とか、人生の苦みとか。大人の紀行文って感じで落ち着く。移動中の空き時間にちょこちょこ読んだのだが、詩集を読むような感じで、ゆったりとした時間で文章とイラストを何度か楽しもうかと思った。
2009/11/24
ゆりっぺ
1999年1月12日
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