流しのしたの骨
流しのしたの骨 / 感想・レビュー
wasabi
流しのしたは確かにそんなイメージだ。今は包丁をそこには収納しなくなったけれど、流しのしたのキッチン扉には包丁収納差しがあり、薄暗い奥には給排水の管がむき出しに通っている。開け放ちたくない扉、モノを収納したくない空間。この物語とどう関係あるのか、はてさて???宮坂家、語りのこと子が未成年てこともあってか、社会と隔離された空間であるやに描かれる。お互いを傷つけず、家族外の人たちも受け入れないわけではないんだけれど。ほんの半年の期間に姉妹弟に生じた事柄は、この家族でなければ一つひとつがけっこうな事件なんだよね。
2022/02/10
rin
★★★★★…高校生の時に文庫を購入して以来何度も読んできた本。なのになぜか単行本も欲しくなってしまって購入。本の大きさや余白の雰囲気が異なるせいか、なんだか新しい本を手にしたような新鮮な気持ちで読了。やっぱり良いものは何度読んでも良い。毎回同じ言葉に反応したり、今まで気が付かなかった小さな発見があったりして、改めてこの本を好きになった。そして、物語そのものももちろん素晴らしいけれど、江國さんのあとがきも秀逸。読み終えたとき、宮坂家万歳!と言いたくなる物語である。
2015/01/05
けえこ
タイトルが絶妙。その家の習慣とか家族内ルールみたいなものを書き出した日常小説。 外から見たら変わっているけど、それでうまく回っているのなら良いのではないかと思う。
2021/10/15
miki
作者もあとがきに書いているけれど、家族はその家庭によって恐るべき秘密と驚きに溢れていると思う。わたしも人の家に行くのが好きだったけれど、それは目には見えないけれどはっきりと漂うその家族独自の生活の雰囲気が、子どもながらに好奇心を誘うものだったから。大抵の家族は、自分の家族がそれほど変だとはつよほども思っていないのだ。ちょうどこと子の家のように。このある種完璧で、ある種不完全な家族がいれば心強いだろうな。すべてを受けとめ溶かしてしまう力が潜んでる気がする。それでもやっぱり羨ましい。
2015/09/24
ばいきんまん
中学の時には面白さがよくわからなかったけれど、今回再読したらよかった。特別に大きな事件というのはなく、贅沢すぎない幸せに包まれた宮坂家の日常。こと子と律が階段に座っている場面や、きょうだいでジグソーパズルをする場面。ストーブ。かるた。ソリテール。私には懐かしくて苦しかった。それでもやっぱり読んで満たされるのは、以前の、私の家族の雰囲気に何となく似ているからだろう。江國さんはあとがきで「変な家族」と仰っているけれど(笑)
2013/02/02
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