川の司祭: 十二の塔の物語
川の司祭: 十二の塔の物語 / 感想・レビュー
琵音
ドイツ語圏っぽいヨーロッパの小さな町の人々の生活をオムニバスにつづった小説。私小説風。本当にその町にいるような感覚を味わえます。プロットにワクワクするページターナーではないけれど、文章から漂う雰囲気を楽しめる小説でした。
2015/11/18
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池内紀が好きになったきっかけの本。中欧の小さな街のこともなき日々の隙間に見える、痛ましい、あるいはおぞましい過去と、ささやかでひそやかで、美しかったり悲しかったり醜かったり滑稽だったりする出来事ややり取りが。どこまでも淡々と静かに描かれる。そのエピソードの一つひとつどこを取ってもしっかりと絡み付く「ヨーロッパ」の空気と歴史、でありながらどこまでも日本語で描かれた物語。好きすぎて図書館から三回以上借りているのでもう買ってもいいと思って購入。
2011/08/29
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