黒曜堂
黒曜堂 / 感想・レビュー
sibafu
マガジンハウスから刊行されているのが意外だった。かつてマガハンから刊行されていた『鳩よ!』という文芸雑誌で連載されていた作品。ミステリアスであり、謎を追っていく形式は光文社からの『雨月』みたいで、藤沢さんの作品は鎌倉などの神奈川県が舞台のことが多いのに対して、『黒曜堂』は主に神保町が舞台で他に高円寺や吉祥寺などと、割と都心が多く、そういうところで異質な作品だった。でも、謎が気になるのでそれなりに面白い。名刺がキーワードとなる小説では安部公房の『壁』も確かそうだったけど、面白い小道具だとおもう。
2013/02/25
いのふみ
みながみな同じ時間に電車に乗り、食事をし、仕事を終えたりすることの方が狂っていると述懐する男は、己れをあえて不確かな場所に置いておきたかったのか、虚偽で作られた場所に引き寄せられたのか。一人の女の出現によって、自分を取り巻く世界の噓が明らかになり、すべて覆る。自分がいる場所や存在さえ分からなくなるという、現代の疲弊感。
2015/03/11
eazy
名刺印刷やの話。「オフセットなんて印刷じゃねえ」ってセリフがいいね。
2001/03/26
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