非道、行ずべからず
非道、行ずべからず / 感想・レビュー
*
「非道、行ずべからず」とは、能の古くからの訓えであり、何か一つの道を極めんとする者は、断じて他の道に行こうとしてはならないという意。芸道に己のすべてを捧げる男達にとって「非道」とは、芝居の道、芸の道から逸れることである。芸道を貫くためならば、たとえ人の道から逸れたとてかまわない。沢之丞の名跡をめぐり、「非道」に逸れた(とみなされた)者たちが、次々と不審な死をとげていく。歌舞伎の企画・制作をしていた著者だからこそ描けた、端役・裏方といった舞台裏の人々の細かな人間模様が大変興味深く読めた作品。 ★★★★★+★
2015/01/30
ぶっくlover
沢ノ丞が跡取りとなる息子に踊りを、仕込むシーンがとても印象的だった。
2020/08/10
mirukan
芝居小屋の闇が深すぎて、なんだか恐ろしかった。★★★☆☆
2018/06/21
みかりん
文化6年元旦江戸最大の劇場中村座が火事に巻き込まれる。焼け跡から出た屍体は一体誰か。その後次々と殺人が起きる。誰が何の為に殺しているのか。男だけの世界。綺麗だけじゃなく汚い面も存分に描かれる。昔はこんな事も本当にあったのか。有耶無耶な感じで終わりましたが、続編があるのかな?中村座はこれからどうなっていくのか。
2023/05/09
mashumaro
つい先日読んだ同じ作家の「芙蓉の干城」は、奇しくも同じ歌舞伎界の親子、荻野沢之丞・宇源次を題材にしたものだった。この本で襲名を果たした宇源次の末路が「芙蓉の干城」の題材となっており感慨深い読書となった。商人の道、武士の道、芸事の道、それぞれに貫かなければならない筋は違うが、こと役者の道には、華やかな舞台裏に凄惨な修羅の道を見る。血を分けたから親子になれるわけではない、この言葉は万人にとって真理と思う。
2021/12/05
感想・レビューをもっと見る