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あかるい箱

あかるい箱

あかるい箱

作家
江國香織
宇野亜喜良
出版社
マガジンハウス
発売日
2002-10-01
ISBN
9784838713899
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あかるい箱 / 感想・レビュー

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Hideto-S@仮想書店 月舟書房

江國香織さんと宇野亜喜良氏のファンタジー。家族で引っ越してきた町。マンションの部屋はきれいだけど、お母さんはイライラしている。「引っ越して他の住人を一人も見かけない」だって。女の子は隣に住むリリコさんに会いに行く。両親にはリリコさんが見えないらしい。マンションに住む他の人たちのことも見えないらしい。リリコさんは出ていった恋人を待っている。女の子も待っている、好きな男の子に出した手紙の返事を。このマンションでは、何かを待っている間は時間が止まる。〈明るい箱〉に溶け込んで……。切なくて芳醇で幻想的な物語。

2015/05/05

☆よいこ

分類726。宇野亜喜良の絵が素敵すぎて7類ですが、絵本というよりは読み物なので文章を書いた江國香織さんの棚に並び替えます▽新しい町、新しいマンション、新しい学校にも慣れたけれど「私」は前の学校で大好きだった島本くんからの手紙を待ちわびている。このマンションはなんだか不思議で、隣の部屋に住むリリコさんの姿はお父さんお母さんには見えない。リリコさんは恋人を待っている「何かを待っている」人がマンションの部屋に閉じ込められ、そこから抜け出すことができない▽ロマンチックでありながら少し怖いお話でした。

2023/05/25

Vakira

私が好きなのは島本君。喧嘩弱いし、スポーツ音痴。でも数学が出来るの。私だけの王子様。私、引っ越すことになったの。だから手紙頂戴ね。引越し先はマンション。一軒家なら座敷童がいるけどここはマンション。部屋姉、リリコさんがいるの。リリコさんの家にはいろんな人が遊びに来る。若い妊婦さん。背中を丸めたおばあちゃん。サラリーマンのオジサンに大学生のお兄さん。みんな何かを待っている。私は島本君の手紙を待っている。待っている時だけのお友達。リリコさんの人徳ね。リリコさんは誰を待っているの?彼氏?本当はマンション童でしょう

2022/03/27

AKIKO-WILL

江國香織さんのとても不思議なお話と宇野亜喜良さんの幻想的な絵で読んでいて引き込まれます。両親には見えない隣の部屋のりりこさんに会いにいく少女!しかし、ある日自分までもが周りから見えない存在になるとは。夢みたいな時間は少女の想像なのか?不思議だと魅惑的な話でした。

2016/05/07

星落秋風五丈原

宇野亜喜良さんの絵と最初に出逢ったのは、高田桂子さんの「メリーメリーを追いかけて」だった。心の底から笑っている絵ではなかった。どこか哀し気。あるいは、目がどこを向いているのかさえ、わからない。一度見たら忘れられない顔だった。 その顔に、何年ぶりかで再会した。江國作品によく登場する恋に一途なヒロインだ。 ずっと手紙を待ち続ける彼女は、恋人を待っているリリコと出逢う。二人は、どこにいるかわからない「あの人」を待って、周囲と全く馴染まず放浪する「神様のボート」の葉子の原型のようだ。

2005/06/14

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