図書館の神様
図書館の神様 / 感想・レビュー
seacalf
なかなか面白い小説を書いてくれる。筋がどうこうとか人物造形がどうこうでなく、胃の腑にストンと落ちて気持ち良く読める小説だった。杓子定規な正義を振りかざすことしか知らなかった新米講師で文芸部顧問になった清が、唯一の部員垣内君と触れ合うことで徐々に心が変化していく。やる気の無さがだだ漏れの清と、早熟した台詞を繰り出す垣内君との掛け合いが楽しい。弟の拓実君も良い味を出してる。軽く一眠りするくらいの短い時間で、笑って泣いてスッキリした気分で読める。瀬尾まいこさん、はまりそう。『さぶ』も『夢十夜』も読みたくなった。
2019/06/01
kaizen@名古屋de朝活読書会
「清。私の名前だ。二十一世紀の世の中に全く不似合いな古めかしい名前。」私が生まれた1954年には、男子の名前第一位。約60年前だから、たしかに二十一世紀には不似合いかも。一気に読む気をなくしつつ、主人公に思い入れが。山下清が活躍していた頃、芸術家になることを夢見る親がつけたのか。本作品では女性の名前。元バレー部員が文芸部顧問で図書館で活動。
2013/11/03
takaC
脱力系の装画のせいで軽いノリで読んだけれど、清と垣内君の交流が絶妙だった。卓実もいい味出してた。浅見は嫌い。そのうち天罰が下るだろう。
2012/04/24
sk4
「あれ、これって青春?」「どうやらそのようですね」 垣内くん、高三にして大人すぎだろ。そしてイケメンすぎだろ。って言うか、キヨは子どもすぎ。 そんな、心がお子ちゃまのキヨ(22)のことを、周りの人たち、特に垣内くんとイケメン弟の拓実が優しく導いてくれる。 『先生の明日と明後日がいい天気であることを祈ってます。』 ・・・惚れてまうやろ~~~!!! PS.私は男。
2012/06/20
pino
高校の図書室は海が見える抜群のロケーション。活動する文芸部は国語の講師、早川清と3年生の垣内君のみ。なげやりな顧問と、意欲満々の部員。ヘンテコな設定に戸惑う。その上、図書室がカビ臭いとは杜撰すぎ~と思いながら読む。そこは、瀬尾さん。文中には、沁みる言葉や文芸作品の意外にエグい一文が、ちりばめられていて興味深い。正しく生きようとして、ちょっぴり挫折した清には肩の力を抜いて。とのメッセージが込められているようだ。文系男子の垣内君の意外性が良かった。人を傷つけないルール破りを知ってる。図書館の神様のおかげかな。
2013/01/02
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