さようなら、コタツ
さようなら、コタツ / 感想・レビュー
chichichi
小さい頃から住宅関係の広告が好きで間取りばかり見つめていろんな妄想をしてた私にはぴったりな短編集でした。まえがきに『部屋の数だけ人生はある(部屋のない人の人生というのもあるけれど)』(←このカッコ書きが笑える)と書かれてますが、ほんとそう。お部屋って人柄出ますよね。それを簡単に隠せもできますが(笑)表題作が良かった。私は、さようならコタツというより、そろそろコタツですがね!
2015/10/02
taiko
『へやのなか』を描く7つの短編集。それぞれに違ったストーリー性があり面白かった。出ていってしまった恋人を思いながらインタビューを受けるイラストレーターの話「インタビュー」、結婚を控えマリッジブルーかのように昔の恋人達を思い出す男の話「陶器の靴の片割れ」、「桐畑家の縁談」の露子と十条のおじさんの話「私は彼らのやさしい声を聞く」が良かった。母の恋人の目線から身を守るために太ることを決めた少女の話「ダイエットクィーン」が一番印象的。最後の終わり方が怖くて、マナちゃんを助けなくちゃいけないのにとモヤモヤ…
2019/03/14
美登利
相変わらず「日常」を切り取ったお話がうまいなあと思う中島さん。部屋に纏わる色々な年齢性別国籍の人々たち。短編集なので繋がりはなく、ちょっとニヤリとしたり、ほのぼのしたり、嫌な後味が残ったり。やはり長編で読みたいなと思いました。少しモヤモヤして、こんな風にブツッと終わるのもありなの?と続きのページが抜け落ちてるのではないかと疑ってみたお話もなきにしもあらず。最後の話は先日読んだ小説の、その後の話になっていました。あっ、この短編が先に出たのですね。「桐畑家の縁談」の後日譚なんだ!
2014/10/23
クリママ
男っ気がないというか、色っぽくないというか、勝手に思い込んでいたわけなんだけれど、短いまえがきに、あの部屋でずいぶん長い時間をいっしょに過ごした恋人なるくだりがあり、もしかしたらと思ったら、やっぱりわずかながらももしかしたらだった。部屋の数だけの人生。ふっと終わる結末に余韻が残る。中島京子らしいようならしくないような短編7編だった。
2018/12/03
なゆ
裏タイトルは『へやのなか』だという短編集。最近中島さんにハマってるのだけど、短編もさすが冴えてる。印象的なのは表題作。誕生日を祝いに初めて部屋に来てくれる彼を待つ休日、段取りよく準備しつつソワソワしながら脳内のめまぐるしい思考の微笑ましいことったら。あと、『ハッピー・アニバーサリー』のお父さんの「いま、目の前で起こっていることを、帰ったらあんたにどう話したらいいんだ、母さん!」の心の叫びが、平泉成でリフレイン。『ダイエットクイーン』はすごいモヤモヤを心に残す。桐畑家の姉妹とも再会できて、うれしい一冊♪
2015/10/18
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