桐畑家の縁談
桐畑家の縁談 / 感想・レビュー
yuyu
好きです、この掴み所がないシュールな世界。中島京子さんらしいユルフワ感。露子と佳子の全く性格が真逆の姉妹が主人公の連作短編集。佳子の結婚が決まり、結婚式までのちょっとした出来事や過去の思い出が淡々と語られていく。まるで、浮き草のような露子、これから、どうなるのか。でも、変わらないよね。変わったら、露子じゃなくなるよね。
2018/11/03
旅するランナー
桐畑妹の台湾男子との結婚に向かって、右往左往テンテコマイ茫然自失ドタバタする家族。ホンノリした笑いの中に、突拍子もなく名場面・名言(梅盆栽での老人、ウー・ミンゾンとのキスシーン、十条のおじさんの考察)が出現する。この文体にアイシテルと言いたくなるし、特に女性読者は自分の中の何かがこう、ひっぱり出される感じがするでしょう。
2019/04/21
ぶんこ
小学校では虐められていた不器用な妹佳子が、台湾のウーさんと結婚する。 要領よく生きてきた姉の露子ですが、実は妹よりも不器用だったのかな? 周囲にいい子と思われ、人当たりはよいのですが、意外と頑固とお見受けしました。 恋人の研修医渡辺邦男との結婚に踏み出せない不器用さが切ない。 真面目で地味な妹のような人の方が幸せをつかみやすいのか? 商社時代の友人の結婚感は淋しいと思いました。 無口な父に、学歴、勤務先などに重きを置いていそうな母。 これが普通の家庭なのかな。 佳子さんだけに共感を覚えるのは、私も変人か。
2015/10/30
taiko
桐畑家の姉妹露子と佳子。世渡り上手にも見える姉露子と、不器用で変わり者の妹佳子。でも、そんなふたりはやはり姉妹で、どこか似ていて微笑ましい。佳子が選んだ結婚相手は、陽気な台湾人ウーミンゾン。彼との付き合いが続く中で、隠れていた佳子の陽気な部分が現れてくる。…ずっとクスクス笑いながら読みました。著者のシュールな表現がとても好きです。 露子と佳子の関係がいい。私にも妹がいますが、早くから離れていたため、同じような関係性ではないので羨ましく感じました。佳子はウーミンゾンと、→続く
2019/03/03
美登利
どこかで見かけたようなごく普通の桐畑家の家族像。寡黙過ぎる父とはらはら世話を焼きながら口うるさい母親。少しズレてる長女と幼い頃いじめられっ子だった次女。次女が付き合う男性はいつも日本人以外で。長女は研修医と交際中。取り立てて強烈な話題が有るわけでもないけれど、次女が結婚すると宣言してから家族の雰囲気が少しずつ変わっていく様がほのぼのしてる感じで、間に挟まる大叔父や父親の会社の会長のじいさんたちが良い味わいを醸し出していました。人生経験豊かなお年寄りの言葉はホッとする面や気づかせてくれることも多いのです。
2014/10/17
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