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猫を拾いに

猫を拾いに

猫を拾いに

作家
川上弘美
出版社
マガジンハウス
発売日
2013-10-31
ISBN
9784838726196
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猫を拾いに / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

「クウネル」に連載されていた掌編小説21篇。本にまとまったのは、これで3冊目。隔月刊とはいえ、毎回決まった分量の作品を書き続けるのは、やはりたいへんだろうと思う。もっとも、そこはプロだから、毎回ちゃんと川上色を出しながら、しかも一定の水準に仕上げている。そうはいっても、うまく決まった回と、苦し紛れに捻り出したような回とがあるが、それもまた我々気楽な読者の楽しみのうちだ。「ぞうげ色で、つめたくて」、「はにわ」、「クリスマス・コンサート」あたりが著者にも会心の作だろうか。全体は川上風のとぼけた味わいだ。

2014/11/01

優花 🍯モグモグ

「川上さんの作品は、なんか好き」ざっくりとした言葉になってしまいますが、私のなかで1番ピッタリと当てはまる感想です。とても微妙な心情、繊細な気持ち、複雑に絡み合ってそうで実は単純だったり。読んでいても心地が良い作品でした。

2016/05/17

nico🐬波待ち中

雑誌『クウネル』に連載された21話からなる短編集。『朝顔のピアス』『ぞうげ色で、つめたくて』『クリスマス・コンサート』『旅は、無料』『ピーカン』『ホットココアにチョコレート』が特に良かった。男女間の秘かな想いに共感し胸がふるえた。これらは是非長編で読んでみたい。うそ話からリアルな恋愛ものまで多種多様な短編の詰まった玉手箱なような作品集。切なくなったりクスッと笑えたり。とてもお得な気分。この短編小説集シリーズの第一弾第二弾は以前から積みっぱなしになっているので読むのが楽しみになった。

2018/05/24

名古屋ケムンパス

川上弘美の小説が目一杯入った缶詰のような本です。うそばなしはバラエティに富み、よくまあこんなこと思い付くなあと感心してしまいます。短編の至る所に星の輝きを放つ言葉が散りばめられ、満天の星空を見上げるかのようです。…旅先で同棲の彼の気持ちを確かめた「地球上の生活には金がかかるかもしれないけれど、太陽のまわりを年に一周する旅が無料でついてくるって」の台詞は極めて秀逸で(「旅は、無料」)、京都出張をひたすら避ける同僚の不審な挙動の理由は可笑しくて堪りません(「信長、よーじゃ…」)。…我、川上マジックを堪能せり。

2016/01/20

Willie the Wildcat

時にふっと気づく、気づかされる心の拠り所。そんな印象が強いのが『真面目な2人』と『金色の道』。前者は白黒どちらか、あるいはどちらも捨て去るか。後者は”色”。両作品の共通項は、自分に向き合う!次に『九月の精霊』と『はにわ』。共通項は家族の温かみ。主人公が、心情を口にしないで心に想う点がその源泉。共感したのが『ラッキーカラーは黄』。USで生活して名前を意識した頃を思い出した。予想以上に喜怒哀楽に溢れた作品群で、静かな空間で楽しみたい一冊という読後感。なお蛇足ですが「ピーカン」ググりました・・・。(汗)

2016/12/23

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