アスク・ミー・ホワイ
アスク・ミー・ホワイ / 感想・レビュー
旅するランナー
アムステルダムを舞台にした、LGBT小説。世の中に溢れる「悲しい誤解」。でも、誤解を解こうとする過程にこそ意味があるのではないか。完璧に理解し合うことが無理だとわかりながら、その状態に近付こうとする試行錯誤こそが、誰かを思い合うことなのだと思う。っていう考え方が素敵です。そんなわけで、「嬉しい理解」方向にサラッと行ってしまうのが物足りないけど、うまく練られた心地よい小説であることは間違いありません。
2021/07/12
いつでも母さん
『奈落』の余韻が私の脳にあって、今回はどんなだろう・・と。古市さん、こんなのも書くのね~って読めた。男とか女とか恋とか友情とか仕事とか社会とか・・いろいろあるけど、純粋に「ヤマト」と「港くん」この二人の出会いと愛の物語。舞台がアムステルダムっていうのもなんか好い。
2020/09/30
なゆ
前作の『奈落』が絶望的すぎた反動か、今度はなんと恋愛小説(しかもBL)とは!あの、確か恋愛とかキスとかもイヤだと言ってたはずの古市氏が…!と、とても読みやすいんだけど、そういう雑念に邪魔されてしまった。アムステルダムで冴えないバイト生活のヤマトは、薬物スキャンダルで芸能界を引退した港颯真と出会う。つくづく思ったのは、恋のはじめの戸惑いとオドオドドキドキ感は、同性間も異性間も何ら変わらないのだなと。これが男女間の話ならありふれてしまうのだろうけど、異国ということもあって幻想的にも感じて読後感もよし。
2021/02/16
aki☆
古市さんがBL⁈読友さんのレビューで知り読んでみた♪これが想像以上に良かった(*≧▽≦) アムステルダムで料理人をしているヤマトと元俳優の港にキュンキュンさせられた♡寂しく地味な生活を送る一般人と、お金があり派手に遊んでいる元芸能人。友情?愛情?ヤマトの戸惑いや葛藤など心情が丁寧で分かりやすく、気持ちの変化もすんなり受け入れられ自然と2人を応援する気持ちになる。ヤマトはほんと良い奴!港もイケメン感溢れてて危なっかしいところも良い(//∇//)ラストどうなるのかと思ったけど、良い意味で裏切られた〜♬︎
2021/07/20
しーちゃん
男とか女とか、バイとかゲイとか、もうどうでも良くなる。単純に人を好きになるということ、この人の側にいたいと思う気持ちに気付いた瞬間、過去は忘れられる。自身のなさから来るネガティヴ思考が、彼と出会ったことで、この世界のすべてが愛しく美しく感じる。作者が描く、紛れも無い純愛物語だった。こんな優雅な生活、一般人にはまず無理って夢物語だけど、これぞ究極の現実逃避、なのかも。
2021/02/16
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