すべてのことはメッセージ 小説ユーミン
すべてのことはメッセージ 小説ユーミン / 感想・レビュー
みかん🍊
戦後の昭和史の様なユーミンが子どもの頃からデビューまでの軌跡、八王子のゆみちゃんとして呉服店のお嬢様として生まれ、中高と東京の私立女子校に通い、米軍基地やジャズ喫茶、アーチストが集うキャンティと家を抜け出し夜遊びをしながら人脈を増やし、成績優秀で絵も得意、何でも出来たユーミンはやはり才能も環境も特別だった、ビッグアーティストが実名で出てきてまさに音楽史でもある、物怖じせず興味がある所にはどんどん入っていく、こういう性格、環境がユーミンを作り上げたんだなと納得。
2023/02/16
Ikutan
2023年は小説ユーミンから。八王子の老舗の呉服店の末っ子として生まれたユーミン。幼い頃から、ピアノの和音を色彩で認識できるという才能があったという。利発で物怖じしない性格。経済的にも恵まれた環境で、のびのびと育ち、なんと、中学時代からジャズ喫茶に出入りして、多くのミュージシャンと交流する。進学先を、音大ではなく美大を選んだという異色の選択も彼女の曲の魅力に繋がっているんですね。そんなユーミンにもデビュー直前には壁が。乗り越えるきっかけになったのは正隆さんとのエピソード。これには、じんわり胸を打たれたな。
2023/01/01
TakaUP48
ユーミンとは、上手い名前をつけたもの。YUMIの現在進行形YUMING。彼女の幼少期から、「ひこうき雲」を発表するまでのルポルタージュぽい小説。八王子の呉服屋の娘、多感で好奇心旺盛、行動的でチョット大人への背伸びが得意なユーミンが描かれている。あの絵画的な詩の世界は、三味線の師匠きげっつぁんの影響なのでは?50~70年代にはGSにハマり、洋楽にも深く潜航した様子が書かれていたが、読む方もあるあるが出てきて、共に時代を振り返った感じがして楽しかった。「ひこうき雲」も新たなイメージを持って聞くことが出来そう。
2023/05/27
Karl Heintz Schneider
土蔵の中のほこりっぽい暗さ、遠くに笑い声の響く公園の砂場や草むら、川面がきらきらと輝く様子、それらすべてのものがメッセージとなって一人の少女の心の宝箱にしまいこまれ、常人では考えつかないような素晴らしい歌詞を生み出すための素地になったのは想像に難くない。でもそんな風景を、ただぼんやりと眺めるのではなくメッセージとして受け取ることができるユーミンは、紛れもなく天才なのだと改めて思った。「目に映るすべてのことはメッセージ」このフレーズの中にユーミンの本質がぎゅっと詰まっている。
2022/12/06
菜穂子
八王子の呉服屋の次女として生まれ芸術的才能を育む素地が備わった中で育った荒井由実。あの歌声の原点は立教女学院の礼拝堂のパイプオルガンだったことが一番の驚き。ユーミンの音楽の原点として必ずブリテッシュロックのプロコル・ハルムのこと、ムッシュかまやつとの接点を口にして来たけれどGSブームが出発点だと解り納得。音楽の為に進んだ美大。非凡な才能と誰にも臆することの無い姿勢、50年もの長きに渡りずっと歌声が途切れることなく続いていることに驚嘆と感謝の気持ちを込めてありがとうと言いたい。
2023/12/14
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