書店であった泣ける話 ~1冊1冊に込められた愛~ (ファン文庫Tears)
書店であった泣ける話 ~1冊1冊に込められた愛~ (ファン文庫Tears) / 感想・レビュー
へくとぱすかる
「町の書店」の廃業にかかわる話が複数あり、現実の深刻さを感じる。文化の中継地としても大切に残したい場所。ショートショート的作品が多いので、メリハリは十分。「人生を買いに」「君の棲む世界」など、その中でも「取り置きされたままの一冊の本」がなかなかよかった。「手紙」は普通小説として読んだが、本書のタイトル通りに「泣ける」話。読者の勘どころを突いてくるので、その後の展開もわかりそうなのに、引きずり込まれる感じ。ラストにふさわしい作品。人の成長と生死に関わる話は、それとわかっていても、読む側の受け止め方が変わる。
2020/08/22
のんちゃん
先日読了のマイナビ出版の泣けるシリーズ、今回は待望の書店編。前回の会社編同様、ライトノベルや携帯小説で活躍中の作家さん達によるアンソロジー。今回、どの話にも当たり前だか、本好きが登場する。そして大体、その本好きは他者から真面目で面白みのない人に思われ、人付き合いが悪い人間に描かれている。そこが残念!この読メに集う皆さんを考えてもそんな事はないと思う。でも他の事より読書が優先順位の上の方に来るのは理解できる。なにはともあれ、本に関係するお話の数々、楽しめました。涙こそ、でなかったけど(^^)
2020/10/28
東雲
書店を舞台にした12編の短編集。中高生向けかな。「思い出は棚のどこかにある」「目蓋の裏に残るシャッターの色」辺りは書店で働いているとそういうことあるよね、と共感。「君へのエール」みたいに、誰かに届いたら素敵だなぁ。「文具売り場の手塚治虫」試筆紙に描かれたスタッフの似顔絵を描いたのは誰か、ほんのりミステリ要素があって楽しい。「手紙」亡くなった母は本の中に手紙を残した。ルールは必ず一冊ずつ読むこと。全て読み終えた時に明かされる母の想い。本から人だけでなく、それを託す人から別の人へも想いを届けられる。
2020/06/14
ひまわり
改めて「本はいいなぁ」と思いました。どの話もよかったですが,私が好きな話は『人生を買いに』『取り置きされたままの一冊の本と』『君の棲む世界』『祖母の古書店』『さよなら、三毛猫書店』『目蓋の裏に残るシャッターの色』『君へのエール』そして最後の『手紙』最高です☆☆☆☆☆「I LOVE YOU」は何と訳せばいいのかなぁ?
2021/04/04
てんてつ
どの作品も初々しくフラットで素直な展開でほっとします。1作品15ページ(原稿用紙16枚ほど)なので泣ける、ほどの凝った展開を作るのは難しいと思いますが始め「え?」と思わせうまく落としてくれます。その中で「君の棲む世界」は1冊の本に四人の想いが描かれていて上手いなぁと思う。本屋の話なので店員とお客の関係が主ですが「人生を買いに」はちょっと異色。評価は別れると思いますがこういう話しが生まれるのも本屋ならではかなと感心した作品です。このご時世、閉店の話が多く寂しいですが、最後はからりとしていてほっとしました。
2020/07/05
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