不思議の国のアリス
不思議の国のアリス / 感想・レビュー
ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中
村山由佳さんのアリスはなんだかおしゃまさんでふふっとなる可愛らしさ。新潮文庫版より今どきなアリスは読みやすくて、ストーリーが飲み込みやすかった、という印象。もしかしたら私が2回目に読んだから、というだけなのかもだけど。 なんといっても魅力的なのはヤンソンの絵。可愛くて可愛くて(*´ `*)途中のエリンギたちが体操してるようなとこが特に好き。 しかし帽子屋の関西弁はうけつけまへん。初読みには不向きかもですが、色んなアリスを楽しみたい方には◎です。
2019/10/16
ヴェネツィア
『アリス・オンパレード』第10弾。縦22.0cm,横15,5cm。カラー挿絵を活かすために上質紙を用いており、重い。メディアファクトリーの出版。訳者は人気小説家の村山由佳。語りに工夫が凝らされていて、全体は男性というよりは少年による語りのようなスタイル。また、中の登場人物たちも、例えば三月ウサギが東京下町方言で、帽子屋は大阪弁で会話を交わしている。ただし、本書で最大の価値を持つのは、本国でも手に入らないトーヴェ・ヤンソンの挿絵だ。ウサギ穴の中とはいえ、ほの暗くどこか陰鬱なアリス。寂寥感さえ漂っている。
2013/08/30
aoringo
訳が村山由佳さん、絵がトーベ・ヤンソンというのに惹かれて。仄暗さと哀愁が漂う北欧風の色使いがとても素敵。文章も個性的で、出てくる駄洒落に思わずクスッとなった。帽子屋が関西弁で、三月ウサギは江戸っ子風のティーパーティーのシーンが面白かった。はちゃめちゃでへんてこな物語。全体的にシュールな感じで私は好みでした。
2018/04/01
Y2K☮
よくよく考えたら「アリス」をちゃんと読むのは初めてかも。トーベ・ヤンソンの描くアリスはどこか大人びている。草原に寝転がってリルケを読むハイティーンの文学少女みたいだ。自分だけの世界を持っているし。訳者の村山由佳と同じく、私もチェシャ猫が好きになった。あの意地悪そうなニヤリが生々しい。にしても大きくなったり小さくなったり様々な言葉遊びが飛び交ったり。これを訳すのは大変だろう。基本的には子どもが読むわけだし。原書を当たってみたい気もする。オチは有名だけど或いはこれが元祖か。創作意欲を刺激される快いナンセンス。
2015/07/04
のこ
アリス×トーベ・ヤンソン!とテンション高く読みました。控えめな色彩と繊細な線がなんとも素敵。童話の挿絵のようで可愛くもあり、しかしどことなくブラックな雰囲気もあり。■大体の住人はまともに話してくれないので「?」となる時も多々あります。しかし最後。アリスが目覚めた後の姉の独白。子供心と大人心の狭間、その微妙な揺れにぎゅっとさみしくなりました。「でも、もちろんわかってはいたんだよ。いつかは目を開けなくちゃいけないってことも、そうしたが最後、すべては退屈な現実へと変わってしまうんだってこともね。」
2014/10/05
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