草食系男子の恋愛学
草食系男子の恋愛学 / 感想・レビュー
nbhd
魂に直撃した一節「…言いたいのは、『自分は恋愛に値しない男なのだ』という自己像にしがみつくことによって、自分を過剰に防御しようとしているのではないか/『自分はそんなに恋愛したいわけではないから』などの言い訳を次々に繰り出すことで、無限に現状から逃げ続けられるような仕組みになっているのではないか。/恋愛できないことよりもむしろ、こういう自己矛盾の状況に追い詰められていることのほうが、いちばん苦しいのではないのか」
2021/03/10
おはる
草食系男子というより、全ての非モテ男子のための恋愛学。まかり間違っても八面六臂の恋愛の達人が読む本ではない。そんな本書の白眉は、何といってもエピローグ。一部の男性は涙なくしては読めないであろう、著者自身の暗ーい暗ーい青春時代のエピソードには、明日からは頑張って誠実に生きていこうという気持ちにさせてくれる何かがあった。それにしても、恋とはおそろしいものだ。まさか自分が恋愛指南書を読むことになろうとはなあ。溺れる者は藁をも掴むとはまさにこのことなのだとしみじみ。
2010/08/21
まいこ
もと草食系男子としての著者の体験を読むような気持ちで読んだ。弱さを見せることは、相手に自分のそばに弱さで繋がれる居場所を作ることでもあるんだろうな。男の子が小さい頃から男性としての役割期待に応えるために、社会に出るまでに強固な鎧をつけていく心情告白は涙が出そうになる。男も女も大変。月経、性の話はとっても良かった。保健の副読本にすべき!!女性版が欲しいと私も思いました。
2015/09/21
syoubusiKGW
奥手男子に響く名著です。スクールカーストから抜け出して社会に出たものの、学校では何一つ教わらなかった恋愛の仕方について、要所を押さえて書いてあります。 私はセックスをしてみたいと考えることは否定しませんが、根底には相手を尊重し、思いやることが大事であることを忘れてはいけないと思います。ここに書いてあることはあくまで基本ベースの哲学だと思われます。実践的なメールの仕方等はありませんが、ほんとに何一つわからないけど恋愛したい男子にはオススメです。私も再読ですが、背筋が伸びる想いです。めげても頑張りましょう。
2018/12/31
pom
さすが哲学者。ハウツーではなく深いです。こんな思いやりをもって相手の幸せを考えてもらったら、きっと女の子も同じように思ってくれるのでは?自分はダメだという意識にしがみつき、逃げ、自分を苦しめている青年に対するメッセージが良かったです。「この社会は他人と比較させることで人間を競争へと駆り立てようとし、その犠牲になっている人は多い。自分を縛っている指の力を抜き、人々が生きやすいような社会になるよう願い、人々に対し優しい行動を取れるようにしていくことがそこから抜け出す道である」
2015/08/31
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